2022-09-30 政治・国際

トンガ海底火山の噴火が放出した水蒸気 驚異的5000万トンが地球温暖化を助長

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注目ポイント

トンガ近くの海底火山が今年1月14日に爆発的大噴火を起こしてから8か月半。これまでその影響を分析してきた科学者たちは、この噴火により地球が今後数か月にわたり、さらに温暖化する可能性があることを突き止めた。

研究者たちはフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイの噴火が、膨大な量の火山灰と火山ガスに加え、5000万トンという驚異的な量の水蒸気を大気中に放出したことを割り出した。この膨大な量の蒸気により、成層圏の水分量が約5%増加し、成層圏の冷却と地表の加熱のサイクルを引き起こすことになるという。研究によると、これらの影響は今後数か月続く可能性があるとしている。

1月13日に活動が始まり、直後にピークに達したトンガの噴火は、ここ数十年で地球上最も大規模な噴火となった。米国海洋大気庁 (NOAA)によると、爆風は260キロ先まで広がり、灰、蒸気、ガスの柱が高さ20キロ以上も舞い上がった。

このような大規模火山噴火は通常、二酸化硫黄を地球の大気の上層に噴出させ、太陽放射を遮ることで、地球を冷却する。米国国立科学財団の大気研究大学連合によると、岩石や灰の粒子もまた、日光を遮断することで地球を一時的に冷却する。

地球の長い歴史において、広範かつ激しい火山活動が地球規模の気候変動を助長し、何百万年も前に生物の大量絶滅を引き起こした可能性がある。

最近の火山噴火でも地球を冷却することが実証された。1991年にフィリピンのピナツボ火山が頂上を吹き飛ばした巨大爆発によって噴き出されたエアロゾルは、地球の気温を少なくとも1年間0.5度低下させたと米科学ニュースサイト「ライブ・サイエンス」は報じている。

トンガの噴火は約44万1000トンの二酸化硫黄を排出したが、これは91年にピナツボ火山が噴出した量のわずか約2%。しかも、海底火山の噴火は地球を冷却するのではなく、逆に温暖化するというのだ。

米国立気象局(NWS)によると、ピナツボ噴火(および陸地で発生するほとんどの大規模な火山噴火)とは異なり、水中で起きたトンガの噴煙は成層圏(上空6~20キロから50キロ)に〝大量の水分〟を噴出した。

大気中の水蒸気は太陽放射を吸収し、熱を再放出する。トンガ噴火による数千万トンの水分が成層圏を漂い地球の表面を熱するが、それがどの程度かは不明だという。また、この蒸気は他の火山エアロゾルよりも軽く、重力の影響を受けにくいため、温暖化の影響が消えるまでには時間がかかり、地表の温暖化は「今後数か月も続く」と科学者たちは推測する。

噴火に関する以前の研究では、トンガの噴火が放出した水蒸気の量は、五輪用プール5万8000杯分にも及び、この途方もない量の大気中の水分が、オゾン層の働きを弱める可能性があることをライブ・サイエンスは伝えた。

新たな研究で、これらの膨大な量の水蒸気が、成層圏オゾンを制御する化学サイクルを実際に変更する可能性があることも分かった。

そんな中、トンガでは噴火により新たに小さな島が南西太平洋上に出現したとこが判明。米航空宇宙局(NASA)地球観測所の声明によると、周囲海域の海底火山の一つが9月10日に活性化し、溶岩、蒸気、灰を噴き出したという。その噴火からわずか11時間後に、新しい島が水面上に出現。NASAは人工衛星で撮影した画像を公開した。

NASAによると、誕生したばかりの島は急速に成長。トンガ地質サービスによると、9月14日時点で島の面積は約4000平方メートルだという。



 

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