2022-09-29 経済

TSMCが2025年に2nmプロセスチップ生産開始を計画台湾電力が電力供給の安定化のために148億ドル支出

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注目ポイント

残念なことに最近台湾では、停電やブレーカーのトリップ等電力システムの問題が続いている。台湾電力は今年4つの計画を立ち上げて785億元を投入した。特に注目すべきは、TSMCの2nm工場に超高圧変電所を建設するための148億ドルのプロジェクトと、TSMCの無停電電源装置(UPS)を将来の変動要因に対応するために、段階的に強化する計画があることだ。

近年、台湾の電力供給が不安定なニュースが頻繁に報道され、台湾電力は護国神山——TSMCの2nmプロセス工場と新竹サイエンスパークの電力供給を安定させるために、148億台湾ドルを投じ、宝山超高圧変電所を建設する見込みだ。また将来、予測できない自然災害や人災に対応するため、無停電電源装置の強化も順次進めている。

TSMCはグローバル半導体製造のリーダーとして、現在、トランジスタ構造の2nmプロセス半導体製造について積極的に準備している。台積電力総裁の魏哲家氏が今年6月にアメリカで開催した「北米技術フォーラム」によると、2nmは2025年に量産を開始する。

TSMCもN3から大幅に改良した2nmプロセスチップ製造にあたり、同じ消費電力で最大10~15%の高速化、または同じ速度で25~30%の低消費電力化を実現し、高性能の新時代を切り開き、業界において大きなアドバンテージを提供することができる。

2nmプロセスチップ新工場は新竹の宝山に、12インチウエハー工場を4つ建設し、Fab20という超大型ウエハー工場になる予定だ。だが、グリーンピース(世界中に拠点がある非政府の自然・環境保護団体)の調査によると、半導体産業は非常に電力消費が多く、TSMCだけで台湾の総電力量の5%近くを使用しており、今年は7.2%まで上昇すると言われている。つまり、「電力の安定供給」がTSMCの命運を握っていると言っても過言ではない。

しかし最近の台湾では、停電、ブレーカーのトリップ等の電力システムの問題が業界を心配させている。「工商時報」の報道によると、電力供給を安定させるために、台湾電力は今年785億台湾ドルを投入し4つの計画を立ち上げた。その中でTSMCの2nmプロセス工場の電力需要に対し148億台湾ドルを投じ、宝山超高圧変電所を建設する。

TSMCでは、宝山超高圧変電所に加え、天災や人災による電力供給不足や停電のリスクを考慮し、長年にわたり多方面からアプローチしている。TSMCの長期計画「ソースの開放とコストダウン」によると、次のステップは無停電電源装置(UPS)の鉛蓄電池をリチウムイオン電池に置き換えることで、2030年までにすべての工場で転換を完了する予定である。


TSMCの無停電電源装置、ソースを開放してコストを抑える

TSMCは電力システム分野では、TRUEWIN、CAEC、Phoenix Sillicon傘下のPhoenix Batteryを含む数社にアプローチしている。近年、エネルギー貯蔵産業が新エネルギーに主導されて異彩を放ち始め、TCC、TEDA、鴻海など新規参入企業も増えている。

IC Design Creationsのデイビッド氏によると、近年、台湾では停電が多く、下位・中位半導体業界は危機感を持ち、無停電電源装置(UPS)の構築や強化を行っている。さらに台湾は台風、地震が多い地域であるため、ほとんどの大企業がこのシステムを導入している。また、これに気候変動や異常高温の常態化が加わり、夏場の電力消費量が増加し、大企業で一般的だったUPSが中小企業にも広がり、その市場が拡大していることを意味する。

TSMCでは連続的な電力供給に加えて、「エネルギー効率」の要件も満たす必要があるという。一般のUPS電気システムは、電圧が瞬間降下時に保護メカニズムを発揮するために、「24時間」整流器で充電してエネルギーを保存し、インバータを通じて電力を供給しなければならないので、通常の動作に5%の消費電力が上乗せされることになる。しかし、TSMCは2016年にUPSサプライヤーと手を組み、UPSの省エネ運用モデルを開発し、業界により多くの省エネオプションを提供し、エネルギー効率を向上させた。

また、台湾電力の上層部も「工商時報」に、新電力研究所の設立に加え、北部の東半分では新電力開発の需要が高いため将来的に深澳園区にエネルギー貯蔵設備を設置し、保存された旧深澳発電所の送電線路を通じて、未来のエネルギー貯蔵設備として電力供給安定性を向上させると語った。

全体的に言えば、台湾電力の長期計画によると、協和、興達、通霄などのガス火力3基の更新を予定しているほか、台潭発電所でもガス火力マルチサイクルの増設を行い、合計4886億台湾ドルの大型発電所を2026年に完成させ、台湾の電力供給を強化する予定である。

 

訳:黄群儒
 

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