注目ポイント
リスクの高い18歳未満の人に対しては、依然として「皮下注射」を採用しており、米国FDA(食品医薬品局)ワクチン担当の責任者であるピーター・マークス氏は、既存の研究データは18歳未満の「皮内」注射への切り替えを支持するものではないとし、特に後者の皮内注射方式は「若い児童たちにとって非常に難しい」と述べた。
中央通信社によるとFDAは先日、サル痘ワクチンの新しい接種方法を認可して不足するワクチンをより多くの人が受けられるようになった。また、AFP通信の報道によると、FDAはリスクの高い18歳未満にもサル痘ワクチンを接種することを承認した。低リスクの18歳以上について医療従事者は現在、皮下脂肪、つまり「皮下注射」ではなく、ワクチンを浅い層の表皮と皮下組織の間に注射する「皮内注射」にするとしている。
FDAは皮内注射法にすることで「投与可能なワクチン数を5倍に増やす"ことができる」と発表した。とはいえ、同方法でも1人2回、4週間の間隔をあけて接種する必要がある。
一方、CNBCによると、リスクの高い18歳未満は依然として「皮下注射」を採用。マークス氏は、既存の研究データは18歳以下の「皮内注射」への変更を切り替えるには十分ではないと述べた。特に後者のこの皮内注射方式は若い児童たちには非常に困難である。
FDA局長のロバート・カリフ 博士は現在、ワクチンで感染症を予防する効果を証明する研究資料がないと述べた。その理由の第一には、「過去に天然痘の事例がないこと」で、第二に過去に発生したサル痘の「規模が小さかったことである」と述べた。
米CDC主任であるロッシェル・ウォレンスキー所長は、公衆衛生部門は世界におけるワクチンの有効性に関する情報を収集するために、さまざまな研究を行っていると発表した。
FDAによると、この認可の基礎となったのは2015年の臨床試験である。試験データによると、5分の1の薬剤用量を浅い層の皮質の間に注射しても、免疫反応は全用量を皮下脂肪に注射するのと同等の結果だったとのこと。
現在、デンマークの製薬会社バイエルン・ノルディック製の天然痘ワクチン「ジンネオス」が米国で62万人分が配布されている。未だ配送されていないワクチンは44万回分で、新しい接種方法では最大220万回分の注射ができることになる。
米政府は同時に追加500万剤のワクチンを注文しており、今月から2023年にかけて入荷予定で、接種可能なワクチンは2500万回分に達する見込みである。
米国では約9,000件のサル痘の感染が確認されており、その5分の1がニューヨーク州で、その大半は男性と性交渉を持つ男性が感染している。
CNNの報道によると、CDCの職員はサル痘ワクチンを接種した場合でも、引き続き予防措置をとるべきであると強調している。予防策としては、感染している可能性のある人との身体的接触を避けること、性的パートナーの数を制限することなどが挙げられる。