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台湾のテレビにPR効果を期待しても得られる効果は限定的――台湾で起業した日本人経営者による、実体験を交えた現地の特殊なPR事情の紹介とその解決策。
みなさんこんにちは!台湾で2017年に起業し、2022年9月に台湾起業6年目を迎えた applemint 代表の佐藤峻です。
今日のこのコラムでは、台湾進出を考えている多くの日系企業が陥る、台湾PRの罠についてお話をしたいと思います。
台湾では PR 効果を狙って、テレビやメディアの取材を受けてもその効果は限定的な場合が多いです。しかし、一部の日系企業は広告費を出す事を嫌がり PR に固執しようとします。
その理由は、日本には良い商品や、良いサービスを通して広告費をかけずに PR や口コミで売上を伸ばした企業がたくさんいるからです。
僕は最近3ヶ月間で、そんな日系企業の台湾事業の責任者3人とお話しをする機会があり、そこでわかったのが、3人とも台湾で日本と同様にテレビやその他メディアの PR 効果を期待している事でした。
広告費をかけたくない気持ちは痛いほどわかるのですが、台湾では本当に PR 効果は限定的なのです(経験者は語る…)
そこでこのコラムでは、なぜ台湾では PR 効果は限定的なのか、僕の実体験を交えてお話をしたいと思います。
日本であまり広告費をかけずに、口コミや PR、 SNS で有名になった、今後台湾へ進出を考えている日系企業の方に読んで頂ければ幸いです。
台湾の特殊なPR 事情:テレビ局は取材したお店や会社名を出さない
最近僕は幸いな事に三立新聞という台湾の大手テレビ局に取材されました。 僕が出演をしたのは『消失的國界』という番組で、割と知られた番組です。
僕がこのコラムを執筆している2022年9月11日時点で、YouTube にアップされた僕が出演した回はすでに30万回以上視聴されており、中々視聴されています。
そんな番組に僕は大体30秒から1分ほど出演したのですが、その反響はどうだったかというと…特に何もありません(苦笑)
会社へのお問合せが増えた訳ではありませんし、僕の公開インスタアカウントのフォロワーが急に増えた訳でもありません。
その理由は実際に番組を見て頂くと分かります。
番組では僕のフルネームは出ましたが、会社名は一切出ていません。
その理由は、台湾では、法律上テレビ局は、取材先のお店の名前や会社名を出してはいけない事になっているためです。
この番組に僕と一緒に出た僕らの顧客である KARADA factory さんも、テレビ放送後に客が殺到したという話は聞いていません。
これが台湾の PR 効果の現実です。
ちなみに、台湾にはテレビプレースメント広告というのがあり、この広告を買うと、番組で商品を取り上げてもらえます。この時はガッツリテレビ番組内で会社名や自社サービス名を言ってもらえます(笑)