注目ポイント
台湾流のベジタリアン、ヴィーガン食の「素食」。現代台湾で欠かせない食文化は、日本でもおなじみの飲食チェーン店や台湾独自のチェーン店にも取り入れられています。日常食となった素食の一例を紹介。
今、日本ではB級グルメからスイーツまで沢山の台湾グルメが進出中。台湾グルメと聞くと、2019年頃のタピオカブームを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、各地で台湾フェアが開催されたり、現地の味・雰囲気が楽しめるお店も続々と登場しています。
最近、注目を集めている台湾グルメが、台湾流のベジタリアン、ヴィーガン食である「素食」。実は、全人口に占める菜食人口の割合としては、インドに次ぐ世界第2位を誇る台湾! 台湾はなぜこんなにも菜食主義者が多いのでしょうか?
宗教的な理由で肉食をしない精進料理がルーツの素食ですが、現代では健康や環境保護、著名人による発信などの理由からも普及し、現代台湾で欠かせない食文化となっています。
高級レストランから屋台まで幅広く提供され、なかでも自助餐(ビュッフェ形式のセルフサービス食堂)の素食が代表的なものと言えるでしょう。日本でもおなじみのチェーン店や台湾独自のチェーン店でも素食メニューが数多く導入されているんです。
《チェーン店素食メニューの一例》
●モスバーガー『杏鮑菇珍珠堡』
エリンギをメインとし、湯葉やにんじんを一緒に甘辛く炒めた具を焼きのりとレタスで挟んだ食べ応え十分のライスバーガー

●スターバックス『蔬食肉醬義大利麵』
ビヨンドミート(植物由来の代替肉)を使用した、言われなければ肉と勘違いしてしまうボロネーゼペンネ

●丹堤咖啡(Dante Coffee)『黃金蔬菜丹麥燒餅』
台湾のカフェチェーンメニュー。台湾の朝ごはん屋さんでよく見かける、サクッとした食感が特徴のパイに近い燒餅(シャオビン)というパンで、フレッシュ野菜をたっぷりサンド

●八方雲集『新蔬食水餃』
八方雲集は台湾の餃子チェーン。オムニミート(豚肉の植物性代替食品)とキャベツの餡を、大根の葉で着色させた緑色の皮で包んだ目にも鮮やかな水餃子

上記以外にもコンビニに素食コーナーが設置されていたりと、台湾で素食は日常食の一つになっているんです!
さらに、台湾政府によって素食は飲食する範囲に応じて5つに分類されており、素食をうたった製品を販売する場合は、その製品がどのグループに該当するかの製品表示義務があります。政府がルールを定めているところからも、台湾という国に素食文化が根強く浸透していることがうかがえますね。
日本でも台湾ブームや健康志向の高まり・環境への配慮から、台湾素食のような光景が近い将来見られるかもしれませんね。