注目ポイント
南極大陸のスウェイツ氷河は崩壊の危険性が高く、地球規模の海面上昇の脅威をもたらすことから「終末(ドゥームズデー)氷河」と呼ばれている。専門家らはこの氷河の融解が予想以上に進行し、今後数年でさらにペースが上がる可能性があると指摘。米CNNは、極端な海面上昇の懸念を増幅させていると伝えた。
米科学誌「ナショナル・ジオグラフィック」によると、急速な海面上昇は、たとえ少しであっても海岸付近の生態系に大きな影響をもたらすという。破壊的な浸食や湿地の氾濫、帯水層や農地の塩害、魚類や鳥類の生息地や植物の生育地の喪失などを引き起こし、食料問題や病原菌のまん延につながるとしている。また、海面上昇により、南太平洋のキリバスやツバルなどは国家存亡の危機に直面している。
気候変動や地球温暖化に対して十分な対策が取られない場合、「米国だけでも今後50年で14兆5000億ドル(約2088兆円)の経済損失が生じる」と米コンサルタント大手デロイトは分析している。