注目ポイント
台湾の京都と称されることもある古都・台南は美食の街。今年8月、『ミシュランガイド』で価格以上の満足感が得られる料理店を紹介する「ビブグルマン」に初めて台南のお店が選出されたのを受けて、台南のガイドブックも手がけるイラストレーターの佐々木千絵さんが、現地ならではのオススメグルメを紹介してくれました。
さばきたてのイカと太めのビーフンが炊き出し用レベルの大きな鍋いっぱいに店頭で煮込まれ、その鍋をじっと見ながら列に並びます。
奥ではおばちゃんが新鮮で大量のイカを、よく言うとオープンエアキッチンでガンガンさばいてます。そうそう、こういうところが台南の好きなところ‼︎
塩1、イカの旨味9、といった感じのシンプルな味付けで、柔らかいけどコリっとした歯ごたえのイカがたっぷり入ったこの小吃は多分イカの美味しい食べ方世界一!
スナック感覚で胃袋にスルッと収まります。
今までイカで心躍ることがなかった私はこれを食べてイカの美味しさに衝撃を受け、すっかりイカ好きになりました。
土魠魚羹(トゥトゥオユィゲン)
最後は他の台南小吃に比べて地味な印象の土魠魚羹。
酸辣油のような少し酸味の効いたとろみスープに、薄い上品な衣をまとったサックサクの鰆が乗ったやみつきになる小吃です。
中華麺や春雨をトッピングできるのですが、ガッツリ中華麺でいただいちゃってください。きっと虜になりますよ。

上記で紹介した小巻米粉と土魠魚羹を出している2店補はどちらもビブグルマン選出店ではありません。
しかし普通にこちらのお店の方が好き!という方はたくさんいます。
そう、台南はチェーン店が潰れる街と言われるほど個人店が多く、それぞれに代々お客さんがついていて、みんな自分の舌で選出したゆるぎない“俺グルマン”を持っているのです。
台南で生まれ育った人にビブグルマンについて聞いたらきっとこう答えると思いますよ。
「あぁあの料理の店ね、あれなら私はもっと美味しいお店知ってるよ」と。
※台南の友人、大洞敦史さん、台南市政府観光旅遊局さん、記事執筆にあたりご協力ありがとうございました。