注目ポイント
世界で愛される日本のアニメ。台湾でも幅広い年齢層に親しまれ、特にZ世代で毎日アニメを見ている人の割合は約7割に上るそう。今夏、3年ぶりに開催され多くのファンが詰めかけた台湾随一のマンガとアニメの祭典「台湾漫画博覧会」の模様や、台湾ならではのローカライゼーションなど、台湾における日本アニメの人気ぶりやユニークなエピソードを紹介します。
こんにちは! 台湾大好きライター津山です。突然ですが、みなさんは台湾人が普段どのくらいアニメを見ているかご存じですか?
台湾のMIC(産業情報研究所)の調査によると、台湾のZ世代(18〜26歳)の約7割が「毎日アニメを見ている」と回答しました。また、その半分が、何らかのアニメイベントに参加したことがあると答えています。
しかも、特に人気なのが日本アニメ。2021年には「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、台湾のアニメ映画の歴代興行収入1位に輝くなど、台湾人にとって日本アニメは日常の娯楽として欠かせない存在になっています。
そこで今回は、台湾における日本アニメの人気ぶりや驚きのエピソードを、実体験をもとにご紹介します!
アニメイベントの盛り上がりから見えた人気の日本アニメ
まずは、実際に台湾現地のアニメイベントに参加して見えてきた、台湾で人気の日本アニメについて。
今回、私が足を運んだイベント「台湾漫画博覧会」(世界貿易センター/台北市)は、台湾で最大級のマンガ・アニメイベントです。コロナ禍で3年ぶりの開催ということもあり、心待ちにしていたファンが押しかけ、最初の2日間で10万人集客という好スタートを切りました!
私は4日目の日曜、午後1時ごろに訪問したのですが、すでにあちこちのブースで大行列ができていました。
会場の中でも特に若者の行列が目立ったのは、2022年8月に新作映画が公開され話題沸騰中の「ONE PIECE」と、日本でも大評判のアニメ「SPY×FAMILY」のエリアです! 入場まで30分以上も待たされる、長〜い行列ができていました。
イベント会場内では通常のグッズ販売のほか、「進撃の巨人」や「転生したらスライムだった件」などの福袋も売られていました! どちらも若い世代に大人気のアニメです。
福袋の値段は大体5000円からと、大卒の初任給が約3万元(14万円弱)の台湾Z世代にとっては決して安くないお値段。しかしこの日はお財布の紐も緩むのか、売り切れが続出していました。
午後3時を過ぎると、イベント会場はすれ違うこともできないくらいの混雑に! 私はアニメファンが抱える巨大な紙袋の隙間を抜けて、なんとか会場を後にしましたが、台湾人のアニメへの熱狂っぷりと、台湾における日本アニメの人気を改めて実感しました!
アニメファンが嬉々と語る? とある日本アニメの秘密
日本のアニメはZ世代だけでなく、幅広い世代から愛されています。ただ、非常にユニークな形で現地に溶け込んでいることも!
それは、現在でも台湾の民放で再放送されている「中華一番」というアニメです。中華一番は、天才的な料理の才能を持つ主人公のリュウ・マオシンが、仲間たちと共に、世界最高の特級厨師を目指すというストーリーです。日本でも人気が高かった中華料理アニメなので、みなさんも一度は名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか?