開票日カウントダウン

選挙ページへ

2022-08-31 政治・国際

LLBS2022福林國小チームの軌跡 ―球児の夏は終わった―

注目ポイント

8月17日、米国ペンシルベニアで始まったリトルリーグ世界大会はハワイチームの優勝で幕を閉じた。不利な条件をものともしないアジア太平洋代表の福林國小野球部は、テネシーチームとの三位決定戦に勝利し、高雄復興國小以来12年ぶりの季軍(第三位)を獲得、野球少年たちの長い夏が終わった。

≪台湾代表は世界第3位≫

アジア太平洋代表の福林國小野球部はイタリア戦2‐0、パナマ戦7‐0、メキシコ戦5-1の3連勝で国際組トーナメントを突破、ベスト4に残った。準決勝のオランダ領キュラソ―との試合では台湾の守備のスキを突かれ1点を失い、攻撃面ではキュラソーの好守備に得点を阻まれ0封、惜しくも0‐1で敗れた。4月に始まった台湾国内予選からアジア太平洋予選、そしてウィリアムスポートでのワールドシリーズを通して2敗目であった。ほとんどの試合をノーエラーで戦い抜いてきた台湾チームであったが、キュラソー戦では、疲れからか自慢の守備にほころびが見えた。

三位決定戦では米国組決勝でハワイに敗れたテネシーチームと対戦、今度は逆に相手チームの守備の乱れに乗じて2点を入れ2-0で完封勝ち、みごと世界第3位の栄光を獲得した。安打数は台湾もテネシーも3本ずつだったが、失策数は台湾0に対してテネシーは2失策、この差がそのままスコアの差になった形だ。今回の参加チームはどのチームも守備が素晴らしかったが、その中でも福林國小の守備の堅さは特筆すべきと思う。特に三位決定戦に先発完封した廖芫豎くんは、82球を投げ、外角低めのストレートと変化球、それに高めの速球を効果的に使い、相手打者をバッタバッタと三振、結局この試合では無四死球、13三振を奪った。

三位決定戦のあと行われたワールドチャンピオンを決める試合、ハワイvsキュラソーは13-3でハワイの勝利、4年ぶり4回目の優勝となった。ハワイチームは清宮を彷彿させる強打者サカモト君を擁し抜群の攻撃力を持つチームだけに、対戦させてみたかったと福林國小の選手のお母さんは言う。

 

 

≪徐(高橋)大聖君は代打で活躍≫

徐(高橋)大聖君の米国での通算成績は、三塁ゴロ、三振、ショートハーフライナー、ライト前ヒット、一塁ゴロの5打数1安打だった。打率は2割、守備機会はなかったが、彼にとって一生忘れられない大会となったのではなかろうか。

 

≪日本代表チームは?≫

今回日本代表の宝塚リトルは、阪神の今岡選手や西武の中島選手を輩出した名門チームであるが、ウィリアムスポート大会への準備期間も短く、また試合直前に選手や監督など、コロナ感染者が複数出て万全の体制ではなく、国際組予選で1勝もできず残念な結果となった。

≪台湾チームの応援団は世界一≫

台湾チームは過去17回優勝の実績があり経験もあるので、応援に駆け付けた華僑に無料配布するため応援団用Tシャツ400枚を急遽発注した。大会が始まってからは試合ごとにいろいろな州から応援に来てくれる華僑の多いことに、台湾から来た選手の保護者は驚いている。そしてみんな試合前に国歌が流れると震えるほどうれしいと言う。テネシー戦では、敵地にもかかわらず、台湾の応援席から聞こえる「台湾、加油(チャーヨー、ガンバレの意)」の声のほうがテネシー側観客席の声より格段に大きかった。国を思う強い気持ちの表れである。大会後はニューヨークに2泊して、ニューヨーク経済文化代表処(領事館に相当)を表敬訪問する予定だ。

そんな人たちの応援とサポートに支えられて球児たちは米国での2週間、台湾予選から数えると5か月以上懸命に戦ってきた。この経験は、将来どの道に進もうが大きな宝物となるだろう。胸を張って台湾に帰ってきてほしい。



 

あわせて読みたい