注目ポイント
外部からの出資ゼロ、人脈なし、営業経験なしの状態から台湾でデジタルマーケティングの会社を起業した佐藤峻さん。台湾現地のニーズに合わせてサービスを提供する中での苦労を振り返ります。
こんにちは!台湾で2017年に起業し、2022年7月現在、起業6年目になる佐藤峻です。
今日このコラムでは、僕が他の人にはあまり話さない、僕が台湾で起業した後に、台湾に現地化するのに苦労しているお話しをしたいと思います。
本題に入る前に僕の紹介を少しさせてください。僕は2017年に台湾で50万元 (約200万円) の資金を元手に起業をしました。起業した時の僕は30歳で、ちょうど台湾の現地の会社を辞めたばかりでした。
起業した理由は、もう今しかないと思ったためです(笑) 振り返ると、あの時、会社を辞めたタイミングで起業をしなければ、その後一生起業なんてできなかったと思います。
起業というと、何か特別な能力や専門性がないとできないと思うかもしれませんが、その当時の僕にはそんなにすごいスキルがあったわけではありません。ただ幸いにも、デジタルマーケティング関連の仕事は3年ほど従事していました。
そんなこんなで、「何をしたいか?」ではなく、「何ができるか?」という出発点から、デジタルマーケティングの会社を始めました。
その後月日は流れ、幸いにも現在起業6年目になりました。この5年の間に、台湾で日系企業や台湾企業とお仕事をする機会に恵まれ、本当に色んな事を学びました。そんな僕が学んだことの一つに現地化があります。
現地化とは、要するに台湾の現地のニーズに合わせてサービスを提供する事です。頭ではわかっていても、7年台湾に住んでも未だになれない現地化もあります。
本稿では、日本人の僕が慣れない現地化の中でも、台湾で特に必要だと思う現地化についてお話をします。
今回みなさんに共有したいテーマは台湾現地化の苦労話です。
値切り/交渉文化への現地化
台湾の方は事ある毎に値切り交渉をします。僕は個人的に、値切りは嫌いです。
僕にとって値切りとは、なんだか相手のサービスに敬意を欠くような行為なので、僕は極力しません。
しかし台湾の僕の取引先はバンバン値切り交渉をします。これは台湾の人に悪気があるというよりは、台湾では値切る事は文化と捉えた方がいいと思います。
台湾に来て間もない方が台湾の顧客と取引をする際、相手が度々値切る事に対してフラストレーションを感じるかもしれません。
しかし値切りは台湾の商習慣と捉え、もはやどうにか出来るものではないと割り切れば、少しは気持ちが楽になります。
また、台湾では値切りに限らず、交渉も商文化の一つです。この国では交渉をしなければ、欲しいものは得られません。日本のように大人しくして、相手が気を効かせて、自分のニーズに応えてくれると思ってはいけません。