注目ポイント
陽明交通大学バイオ医工学科の研究チームが開発した光ファイバー糖度センサーは生きたクモから天然のクモの糸を取り出した後、光硬化樹脂を用いて構造を安定化した。血糖値の測定にも応用することができ、糖尿病患者の血糖値管理に役立つことが期待されている。
(台北中央社)陽明交通大学バイオ医工学科(台北市)の研究チームがクモの糸を素材に用いた光ファイバー糖度センサーを開発し、研究成果が国際学術誌「バイオメディカル・オプティクス・エクスプレス」9月号に掲載された。血糖値の測定にも応用することができ、糖尿病患者の血糖値管理に役立つことが期待されている。
劉承揚教授らのチームはクモの糸の伸縮性や光波伝達などの物理的性質に着目。ガラスやプラスチック製の光ファイバーとは異なり、高い生体適合性があることにも注目した。さまざまな種類のクモを校内で捕まえて実験した結果、オオジョロウグモを糸を取る主な対象に選んだ。高品質なクモの糸を取るため、爬虫類専門店からクモの飼育方法や糸の引き出し方などを学んだという。
チームは生きたクモから天然のクモの糸を取り出した後、光硬化樹脂を用いて構造を安定化。クモの糸の表面を非常に薄い金の層で覆い、糖度に対する感度を高めた。開発した光ファイバーセンサーは髪の毛1本ほどの細さとなっている。
チームの実験によれば、センサーの測定機能は1年は同程度の感度を保ち、室温や人体の体温のいずれの環境においても正常に作動したという。