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日本統治時代に起きた抗日運動の南庄事件が苗栗県初の史跡に登録された。史跡として登録される場所は、犠牲者が埋葬された「万善諸君之義塚」と帰順式が行われた「南江水岸公園」。
(苗栗中央社)中部・苗栗県政府文化観光局は15日、県内にある日本統治時代に起きた抗日運動とゆかりのある場所を「南庄事件史跡」として登録することが、11日に開かれた原住民(先住民)族有形文化資産審議会で決まったと発表した。台湾では4番目、苗栗県では初の史跡登録となる。
文化部(文化省)の台湾大百科全書などの記述によれば、南庄事件は南庄地区に入植した日本人に不満を抱いていた原住民族サイシャット族の人々らが、1902(明治35)年7月に当時の南庄支庁を包囲し、軍施設を襲撃した抗日運動に端を発する。その後、運動は軍によって鎮圧されるが、12月に行われた帰順式で、日本側は会場に集まった原住民らに発砲し、39人を殺害したとされる。
史跡として登録される場所は、犠牲者が埋葬された「万善諸君之義塚」と帰順式が行われた「南江水岸公園」。同局の林彦甫局長は、貴重な地元の歴史と記憶を保存し、多くの人に県内の有形文化資産を知ってもらいたいと語った。
台湾の史跡は2019年以降、霧社事件関連の場所や明や清の時代の金門城遺跡などが登録されている。