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アマゾンが2020年に開始した手のひら認証技術「アマゾン・ワン」が、カリフォルニ ア州のホールフーズ65店舗に拡大するものの、セキュリティリスクは依然として懸念 されている。
「The Verge」によると、アマゾンの手のひら決済サービスは、カリフォルニア州の
65のホールフーズで利用できるようになるという。アマゾンが手のひらをスキャンし
て識別し、決済する手のひら決済サービス「アマゾン・ワン」を開始したのは2020年
のことだ。
買い物客はKIOSKまたはPOS(販売情報管理システム)でクレジットカード、携帯電
話番号、手のひらの写真を用意するだけで、アマゾン・ワンの登録を完了することが
でき、その後はレジで財布や携帯電話を出さなくても、手をかざせば決済完了なので
ある。
2020年当時、アマゾンは実店舗での買い物の仕方を変える無人店舗システム「ジャス
ト・ウォーク・アウト」を導入しており、今回の「アマゾン・ワン」の導入により、
無人店舗での会計がさらにスピーディーになる。現在、オースティン、シアトル、ニ
ューヨークのホールフーズを除くアマゾンのアパレル店舗「アマゾン・スタイル」や
完全無人のデジタル店舗の「アマゾン・ゴー」が、手のひら決済を試験的に導入して
いる。
しかし、今年に入ってからのアマゾンの買収により、セキュリティリスクについての
議論が始まっている。アマゾンがワン・メディカルを買収したことで、機密情報の悪
用が懸念され、アマゾンがユーザーを安心させるための対策を何もとっていないとの
報道があった。
また、アマゾンのアイ・ロボット社買収に伴い、アマゾンが同社の製品を購入しただ
けでなく、顧客宅の構成に関するデータも取得していたことが指摘されており、この
情報がどのように活用されるかは、まだ分かっていない。
セキュリティ上の懸念に対しアマゾンは、消費者の手のひら写真はKIOSKには保存せ
ず、アマゾン・ワン専用のクラウドサーバーに保存し、手のひらを認識できるように
していると発表。既に何百万人もの顧客が、生活をより便利にするためにアマゾンに
個人情報を提供することに同意している。
アマゾンのショッピングやスマートホームのサービスは、消費者データを収集するこ
とで成り立っており、これによって生じるセキュリティ上の問題はまだ解決されてい
ない。
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