2022-08-17 政治・国際

世界初、英国がモデルナの2価ワクチンを承認 オミクロン株や従来型コロナウイルスにも有効

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注目ポイント

英国政府は今週、世界で初めて新型コロナウイルスの従来株とオミクロン株「BA.1」の2種類に有効な米製薬会社大手モデルナ社製の「2価ワクチン」を18歳以上の追加接種(ブースター)として、承認したと発表した。具体的な接種時期はまだ調整中だが、特に高齢者や基礎疾患を持つハイリスクグループにとっては朗報だ。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、英国政府が承認したモデルナ社製ワクチンは、従来の新型コロナウイルスと同時に、昨年末から世界中に急速に広まった変異株のオミクロンにも有効だという。

この2価ワクチンはモデルナ社が従来開発したものを、オミクロン株にも対応できるように改良したもので、臨床試験ではオリジナル株とオミクロン株BA.1に加え、オミクロン株の亜種BA.4やBA.5にも良好な免疫反応を示したという。

英国政府が招集した専門家による独立諮問機関「ヒト用医薬品委員会」が承認したことについて、同国のコロナ対策で中心的役割を果たしてきた英医薬品医療製品規制庁(MHRA)のジューン・レイン長官は、モデルナ社製ワクチンが同国の安全や品質、効果の基準を満たしたことを歓迎。

レイン氏は、「英国で使用された第1世代の新型コロナワクチンは今も感染症を防ぎ、命を守っている」とし、「この2価ワクチンは新型コロナウイルスが進化し続ける中で、感染症からわれわれを守るための武器庫に新たに加わった研ぎ澄まされたツール」だと表現した。

WHO(世界保健機関)によると、従来のワクチンでもオミクロン株を含む全ての新型コロナウイルスに対して高い重症化予防効果があるとしている。だが、従来のワクチンは、従来株に比べてオミクロン株への感染や発症予防の効果が低く、接種してから時間がたつほど効果が弱まるため、モデルナ社や別の米製薬会社大手のファイザー社などがオミクロン株対応のワクチンの開発を進めてきた。

モデルナ社は現在、新ワクチンを配布するために英保健当局と調整していることを明らかにしたが、具体的にいつ一般接種を開始できるかは、まだ分かっていないとしている。同社はまた、オーストラリア、カナダ、欧州連合諸国の規制当局に対しても同ワクチンの許可申請手続きを完了し今後、数週間でさらなる承認決定されるとしている。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、英国は全体的にワクチン接種率が高く、人口の76%が2回のワクチン接種済で、60%が3回目以降のブースターを受けている。対照的に、米国では人口の67%がワクチン接種を2回受けているが、3回目以降は停滞しており、追加接種を受けたのはわずか32%。同紙の新型コロナワクチン調査によると、世界の人口の64%がワクチンを2回接種している。

米ジョンズ・ホプキンス大学国際ワクチンアクセスセンターのルパリ・リマイエ副所長は、英国がオミクロンを標的とする最新のワクチンを承認したことは、マスク着用義務など規制が解除された米国などでは、特にハイリスクグループの人々にとって素晴らしいニュースだと述べた。

同氏は、「特定の亜種に限定すればするほど、より良い結果が得られるだろう」とし、特に米保健当局にとっての課題は、誤った情報と不信の中でワクチンに対する信頼を高めることが重要だと指摘。「これは単に『ワクチン接種に行きなさい』というものではなく、説得が必要だ」とした。

一方、モデルナ同様、ファイザーと独ビオンテックも2価ワクチン試験を行っている。

日本の厚生労働省は先週、専門家で作る分科会を開き、オミクロン株に対応したワクチンの接種について審議した。その中で、高齢者の重症化を防ぐとともに、若い世代も含め、社会全体の免疫をあげるため2価ワクチン導入の方針を決定した。

使用を想定しているのはファイザーとモデルナのワクチンで、薬事承認されれば9月中にも輸入し、自治体への配送を開始。10月中旬以降に接種を開始する見通しだとしている。


 


 

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