2022-08-17 調査データ

SDGsに対する日本のネットユーザーの認識調査

注目ポイント

2015年9月、ニューヨークの国連本部で「持続可能な開発サミット」が開催され、2030年までに達成すべき17のゴールと169のターゲットが全会一致で採択された。ここ2,3年はコロナ禍のニュース一色で、各国はコロナ対策に力を入れてきたため、SDGsがどのくらい進展しているかあまり報道されていないが、このような状況下で日本政府主導の取り組みが日本のインターネットユーザーにどのように認知され、理解されているかを調査した。

この記事はEngagement labの許可を得て掲載しています,元記事のリンクはこちらです。


今回、マーケティング・コミュニケーションを最も効果的に行うことを目的に、調査対象者を4つのセグメントに分類した。回答者の4.6%は社会情勢やトレンドに常に敏感で、頻繁にニュースをチェックし、周囲にアドバイスをしたり意見交換をしたりする高学歴・高収入のオピニオンリーダー。続いて回答者の5.1%はトレンドの主要なプロモーターで、頻繁にニュースをチェックしたり、意見交換したりしてソーシャルメディアに積極的に参加するアンプリファイアー。70.3%はフォロワーと呼ばれる一般市民、そして残りの20%は新しいトレンドに比較的鈍感で、ニュースをあまりチェックしないラガードである。

 

知ってはいるが興味はない

SDGsについて知っているかどうか聞いたところ、半数以上の54.5%が知っていると答えた。しかし同時に4割近い38.2%の人は興味がないと回答している。さらにセグメント別に見ると、「知っているが、さらに詳しく知りたい」と「よく知らないし興味がない」人それぞれの割合が、オピニオンリーダーとラガードで真逆の結果が出た。オピニオンリーダーでは知っていてさらに知りたい人は42.9%であるのに対して、ラガードではわずか11.3%、一方、よく知らないし興味もない人の割合はオピニオンリーダーが13.4%、ラガードは43.4%となった。また一般市民層であるフォロワーを見ると、最も多かったのは「知っているが、興味がなくもっと知りたいとは思わない」人で、40.5%であった。

 

 SDGsに対して抱いた最初の印象

このように対照的な数字が出た背景について、それぞれのセグメントがSDGsに対して抱いた最初の印象の違いを見れば明らかである。オピニオンリーダーは「次の世代に向けて有益である」と感じているのが37.8%で最も多く、次いで「SDGsを実施している企業は良い投資対象」とみなしている人が24.0%となっている。これに対してフォロワーとラガードは「地球の負担が少なくなり、地球の環境と生物を守ることができる」と答えた人がフォロワー30.3%、ラガード13.6%となっており、漠然とした印象も持った人が多いことがわかる。ソーシャルメディアに積極的に参加しているアンプリファイアー層は、インフルエンサーとして外との関係を維持・拡大することに最も関心があり、25.4%の人が「すべての世界の国々と人々の絆が深まる」という印象を持っている。繰り返しになるが、ラガードでは「特別に思うことがない」人が6割近くを占めている。

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