注目ポイント
台湾野党副党首の夏立言が10日に中国へ訪問。それに対し、与党党主席を兼務する蔡英文総統は「野党のやり方は国際社会に誤ったメッセージを送ることになる」と述べた。ペロシ米下院議長の訪台に反発する中国は台湾海峡周辺で軍事演習を行っている。このようなタイミングでの訪中は国民を失望させたとも指摘した。
(台北中央社)野党・国民党の夏立言(かりつげん)副主席(副党首)が10日、訪問団を率いて中国へ出発したことを受け、与党・民進党の党主席(党首)を兼務する蔡英文(さいえいぶん)総統は同日、同党のやり方は国際社会に誤ったメッセージを送ることになると述べた。
ペロシ米下院議長の訪台に反発する中国は台湾への圧力を強めている。そんな中での夏氏の訪中は議論を引き起こしている。これに対し、国民党は両岸(台湾と中国)間の対話が途絶えている中、「野党としての責任を全うする」と説明している。
蔡氏は党の会合に出席し、談話を発表。中国が台湾海峡周辺で軍事演習を行っていることやサイバー攻撃を繰り返し仕掛けていることに言及し、真に責任を全うしているのは不眠不休で国家の安全を守っている国軍だと訴え、このようなタイミングでの訪中は国民を失望させたと指摘した。
夏氏は滞在期間中のスケジュールについて、中国在住の台湾人を訪問するとしており、10日間の隔離を経て台湾人が集まる都市を数カ所訪れる。中国の政府関係者との面会は現時点では予定していないとしつつ、相手が希望すれば排除しないとの考えを示した。27日に台湾に戻る。
夏氏の訪中には、国民党の若手党員からも批判の声が上っている。