注目ポイント
リトルリーグの世界大会は毎年8月米国で開催される。ソウルでの予選を勝ち抜いた台湾の福林小学校が代表権を獲得、日本からは宝塚リーグが参加する。世界の野球少年たちが憧れるこの大会は70年以上の歴史があり、世界一を決める大会はペンシルベニア州ウィリアムスポートで今月17日に開幕、20チームが世界一を目指して熱い戦いが始まる。
≪リトルリーグワールドシリーズ(LLWS)の歩み≫
1947年にペンシルベニア州のウィリアムスポートで始まった少年野球大会は、当初、米国内のチームのみで試合が行われていたが、その後、海外チームも参加できるようになり、1962年には日本からリトルリーグが初参戦した。1967年、西東京リーグが世界一、翌68年には和歌山チームが世界一となり、日本が2連覇を成し遂げた。その後は69年からの6年間で台湾チームが5回優勝、1975年にはついに強すぎる海外チームの参加が禁止された。海外チームが参加できなかったワールドシリーズは、2020年にコロナの影響で大会そのものが中止になった翌年2021年と、この1975年だけである。
この大会は2011年から全米の部と国際の部に分かれ、それぞれ優勝チームが総合優勝決定戦で世界一を争う。
≪警戒される台湾チーム≫
常勝台湾が優秀な選手を全国からかき集めてチームを結成するのを阻止するため、チーム編成は単独の小学校、尚且つ年齢制限を13歳にするなど1997年にルールを変更した(いわゆる「台湾法」)。大会本部は日本に対して、アジア太平洋のカテゴリーから日本が独立し、日本国内優勝チームがそのままワールドシリーズの出場権を得ることと引き換えにこの台湾法に賛成するようもちかけ、日本はこのルール改正に賛成したと言われている。しかしルール改正は1997年、日本がアジア太平洋予選を免除されたのが2017年で年代に大きな開きがあり、真偽は定かでない。とにかく、台湾法によって他の国は地域連合の形でチームを構成することもできるし、チームに13歳の選手もいるが、単独の小学生に限定された台湾は、最高年齢12歳となり体格面でかなり不利になった。
≪栄光を再び≫
柔道でもスキー競技でもそうだが、ある特定の国が強すぎるとルールを改正して出る杭を何とか打とうとする。リトルリーグワールドシリーズも例外ではない。台湾は通算17回優勝、2位は日本の11回、次いで米国カリフォルニア州の7回というように、25年前に最後の優勝をするまで台湾はずば抜けて強かった。1969年に初優勝して以来、1996年までに台湾代表チームは17回世界チャンピオンになっている。しかしルール改正後は25年間一度も優勝していない。そんな台湾チームだが、今年のアジア太平洋予選では逆風を跳ね返し、代表権を得た。
福林國小は25年ぶりの世界一を狙う。8月17日、世界の野球少年たちの夢の祭典が始まる。