注目ポイント
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、IT・ネットワークの世界的ブランドであるシスコ(CISCO)や、大手スポーツブランドのNIKE、マクドナルド、スターバックス、ルノーS.A.、コカ・コーラなどが相次いで、ロシア市場から撤退の動きを見せている。地元企業は空いた市場シェアを獲得するために、ヨーロッパやアメリカのモデルを踏襲する動きが進んでいる。ロシアの大手ライセンシー、アレクサンダー・ゴボールは欧米の企業撤退の波に直面しており、マクドナルド850店舗を買い取り、「Vkusno&tochka」(意:美味しさとはこれだ)と名前を変え、ロゴマークもスタイリッシュに一新し首都モスクワにオープンした。
ロシアの現地企業による市場シェア争い
欧米各国の制裁を受け、ロシアは欧米企業の撤退の波に直面しているが、これらの市場シェアは地元の企業に引き継がれている。例えば、マクドナルドが数百軒の店舗を閉鎖してから間もなく、ロシアのハンバーガーチェーン店「ブラックスターバーガー」は、すぐに新しいメニューを発売し、マクドナルドの象徴的な赤と黄色の2色を使用し、さらに名前はロシア語の「Mac」から始まるのだ。
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ロシアのハンバーガーチェーン店ブラックスターバーガー店の前には大勢の人々が長蛇の列を作って並んでいる。ブラックスターバーガーの創立者であるYury Levitas氏は「ウォールストリートジャーナル」(WSJ)の取材に対し「自分はチャンスを利用してビッグマックメニューのプロモーションを展開し、注目を集めた」と話した。彼は「私たちは注目されることになり、この戦略は成功した」と語った。
ブラックスターバーガーの他にも、ロシアの富豪アレクサンダー・ゴヴォール氏はマクドナルドの850店舗を直接購入し、店名を「Vkusno & tochka」(意:おいしさとはこれだ)とし、首都モスクワで新しいシンボルを作りオープンすることになった。
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実際、ロシアとウクライナの戦争開始後、欧米の多くの企業が次々と撤退を試み、ロシア本土の企業はこれらの会社を模倣し、市場を奪おうとしている。モスクワ当局はこれらの「欧米企業の撤退波」が「違法な経済戦争」であると絶えず主張している一方で、国内企業は足取りを止めなかった。
上記の企業の他、今年6月初めにはIBMも現地業務の段階的閉鎖と人員削減を発表し、マイクロソフトは事業を大幅に縮小するとした。これまでにロシアを撤退した企業は科学技術、映画、テレビ、運送、エネルギー、自動車などの幅広い分野にまたがっている。
全世界で少なくとも400社を超える企業がロシアから撤退
「AFP通信」の最近の報道によると、ロシアがウクライナに侵攻して以来、全世界で少なくとも400社以上の企業がロシア市場から撤退すると宣言し、その数は今後さらに増えていく傾向にある。
ウクライナのゼレンスキー大統領は3月に米国議会で演説した際、「ウクライナはロシアの血で汚れた市場」と強調し、全てのグローバルブランドにロシアから撤退し、経済制裁で国家を追放するよう呼びかけた。