2022-08-05 政治・国際

シスコ、NIKEなど400社以上の世界的企業が露市場から撤退現地企業は新しいロゴや新メニューを推し出しシェアを獲得

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注目ポイント

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、IT・ネットワークの世界的ブランドであるシスコ(CISCO)や、大手スポーツブランドのNIKE、マクドナルド、スターバックス、ルノーS.A.、コカ・コーラなどが相次いで、ロシア市場から撤退の動きを見せている。地元企業は空いた市場シェアを獲得するために、ヨーロッパやアメリカのモデルを踏襲する動きが進んでいる。ロシアの大手ライセンシー、アレクサンダー・ゴボールは欧米の企業撤退の波に直面しており、マクドナルド850店舗を買い取り、「Vkusno&tochka」(意:美味しさとはこれだ)と名前を変え、ロゴマークもスタイリッシュに一新し首都モスクワにオープンした。


ロシアの現地企業による市場シェア争い

欧米各国の制裁を受け、ロシアは欧米企業の撤退の波に直面しているが、これらの市場シェアは地元の企業に引き継がれている。例えば、マクドナルドが数百軒の店舗を閉鎖してから間もなく、ロシアのハンバーガーチェーン店「ブラックスターバーガー」は、すぐに新しいメニューを発売し、マクドナルドの象徴的な赤と黄色の2色を使用し、さらに名前はロシア語の「Mac」から始まるのだ。

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ロシアのハンバーガーチェーン店ブラックスターバーガー店の前には大勢の人々が長蛇の列を作って並んでいる。ブラックスターバーガーの創立者であるYury Levitas氏は「ウォールストリートジャーナル」(WSJ)の取材に対し「自分はチャンスを利用してビッグマックメニューのプロモーションを展開し、注目を集めた」と話した。彼は「私たちは注目されることになり、この戦略は成功した」と語った。

ブラックスターバーガーの他にも、ロシアの富豪アレクサンダー・ゴヴォール氏はマクドナルドの850店舗を直接購入し、店名を「Vkusno & tochka」(意:おいしさとはこれだ)とし、首都モスクワで新しいシンボルを作りオープンすることになった。

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同店はマクドナルドに似た「M」マークがある。

実際、ロシアとウクライナの戦争開始後、欧米の多くの企業が次々と撤退を試み、ロシア本土の企業はこれらの会社を模倣し、市場を奪おうとしている。モスクワ当局はこれらの「欧米企業の撤退波」が「違法な経済戦争」であると絶えず主張している一方で、国内企業は足取りを止めなかった。

上記の企業の他、今年6月初めにはIBMも現地業務の段階的閉鎖と人員削減を発表し、マイクロソフトは事業を大幅に縮小するとした。これまでにロシアを撤退した企業は科学技術、映画、テレビ、運送、エネルギー、自動車などの幅広い分野にまたがっている。


全世界で少なくとも400社を超える企業がロシアから撤退

「AFP通信」の最近の報道によると、ロシアがウクライナに侵攻して以来、全世界で少なくとも400社以上の企業がロシア市場から撤退すると宣言し、その数は今後さらに増えていく傾向にある。

ウクライナのゼレンスキー大統領は3月に米国議会で演説した際、「ウクライナはロシアの血で汚れた市場」と強調し、全てのグローバルブランドにロシアから撤退し、経済制裁で国家を追放するよう呼びかけた。

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