2022-08-01 政治・国際

英調査会社「自家用機乱用セレブ番付」公開 CO2排出ワーストは歌手テイラー・スウィフト

© Photo Credit: Reuters /達志影像

注目ポイント

世界のセレブリティたちが、プライベートジェットを利用することで排出される二酸化炭素(CO2)による地球環境破壊の現状が明らかになった。英調査会社「ヤード」は先週末、そんなセレブの「ワースト10」リストを公開。トップは米歌手テイラー・スウィフト(32)で、今年1月1日~7月29日の間で170回も自家用ジェットに搭乗し、そのCO2排出量は合計8935トンにも達した。これは一般人平均の1185倍で、ソーシャルメディアでは環境保護を訴えるセレブたちの偽善性が大きな話題になっている。

「プライベートジェットでCO2を排出するワーストセレブ」と題する研究報告を発表したのは、英サステナビリティ市場調査会社ヤード。それによると、スウィフトの平均搭乗時間は80分で、フライトの距離平均は約224キロ。最短の搭乗時間は36分で、ミズーリ州から隣のテネシー州までの移動だった。

スウィフトに次いでワースト2は米元プロボクシング世界チャンピオンのフロイド・メイウェザー(45)で、同期間のCO2排出量は7076トン。これも一般人の平均の約1011倍だった。3位は米ラッパーで音楽プロデューサーのジェイ・Z(52)、4位は米元大リーガーのアレックス・ロドリゲス(47)、5位には米カントリー歌手ブレイク・シェルトン(46)が続いた。

6位から10位は順に米映画監督スティーブン・スピルバーグ(75)、米セレブタレントのキム・カーダシアン(41)、米俳優マーク・ウォールバーグ(51)、米司会者オプラ・ウィンフリー(68)、米ラッパーのトラヴィス・スコット(31)だった。

ヤード社は「移動手段としての旅客機は最もエコではないことはすでに知られている」とした上で、それでも航空会社が公共交通手段として運営するフライトは、多くの利用者が一度に搭乗することで、最低限の環境破壊に抑えられていると指摘。その一方、セレブが所有する自家用機による移動は、他の交通手段とは桁違いの悪影響を環境に及ぼしていると解説した。

同社によると、調査のきっかけとなったのは米セレブ一家として世界的に人気のカーダシアン=ジェンナー家の末娘で、起業家のカイリー・ジェンナー(24)が先月中旬、インスタグラムで公開した1枚の写真だった。カイリーは2019年に米経済誌「フォーブス」による世界長者番付で史上最年少のビリオネア(資産10億円以上)としてランクインした。

問題の写真はカイリーと恋人のトラヴィス・スコット(今回のワースト番付10位)が空港のエプロンで抱擁する姿をとらえ、2人の背景に2機のプライベートジェットが駐機していて、「どっちで行く?」とのメッセージが添えられていた。

フォーブス誌は7月30日、カイリーは自身が所有するジェット機に17分間搭乗し、スーパーマーケットで買い物をしてきたことをインスタで自慢気に投稿したとし、「全く不必要なCO2排出による環境破壊だ」とする多くの声や、ファンによるカイリー擁護のメッセージであふれ、アカウントは炎上したと伝えた。

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