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日本では23日、新型コロナウイルスの新規感染者が20万人を超えた。これまでで最も多かった前日の19万5000人を上回り、4日連続で過去最高を更新。26日も19万6000人を記録した。猛威を振るうオミクロン株の亜種BA.5により、ここ数日の日本の新規陽性者数は世界最多となっている。そんな中、米ブルームバーグはBA.5感染者が再感染する可能性について検証。一方、「ケンタウロス」と呼ばれる亜種の出現が新たな不安を呼んでいる。
英医学サイト「メディカル・ニュース・ドゥデー」によると、WHO(世界保健機関)はまだBA.2.75を「懸念される亜種」に指定していないが、注視している。また、欧州疾病予防管理センター(ECDC)は今月7日、英国やドイツで感染が確認されたことから「監視中の変異株」に指定した。
スコットランド・グラスゴー大学ウイルス研究センターのスパイロ・ライトラス氏は、オミクロン株の出現はウイルスとパンデミックの進化の中で重要な出来事だとし、「そのような大きな〝突然変異〟は将来もっと起きるだろう」との見解を示した。
ケンタウロスがBA.2から変異したように、BA.4やBA.5からの派生する亜種についても専門家は監視を続けているとした上で、同サイトは、ケンタウロスがすでに9回変異を繰り返し、うち8回はスパイクタンパクのゲノム解析上、全く新しいものだったと指摘。オーストリア・ウィ―ンの分子生物工学研究所のウルリッヒ・エリング博士はBA.2.75が免疫回避する可能性を指摘し、懸念を示した。
「データから分かっていることはBA.2.75はデルタ株で得られた免疫は突破するようだが、(症状の現れ方は)ワクチン接種後のオミクロン株に対する反応と似ている」とエリング氏は説明。ただし、研究対象の症例は限られたもので、今後のさらなる研究結果を待つ必要があると述べた。
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