2022-07-28 観光

霊界の扉が開く!「鬼月」を通して観る、季節を感じる台湾CM

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

台湾では「鬼月」と呼ばれる旧暦7月にあの世の扉である鬼門が開き、先祖や無縁仏の霊がこの世に戻ってくるとされています。日本のお盆にも似た風習ですが、久しぶりに人間界にやって来た霊たちをモデルにしたテレビCMが多く放送されるのは台湾ならでは。ジャパニーズホラーの立役者もレギュラー参戦する、台湾広告界の夏の風物詩をご紹介します。

台湾には旧暦に沿った行事が1年を通してたくさんあり、夏は「鬼月」を迎えます。鬼月の期間は旧暦7月1日~7月29日までの約1か月。2022年の西暦では7月29日~8月26日がそれにあたります。

霊界の門である「鬼門」が開き、鬼(=日本でいう幽霊)が人間界に戻ってくるといわれています。鬼月の真ん中にあたる日は「中元節」と言われ、最も大きく門が開く日。「普渡」が行われ、無縁仏を供養するための儀式が台湾各地で行われます。

私が台湾の鬼月という文化を知ったのは、中国語の先生からとあるYouTubeを教えてもらったことがきっかけ。今回は、台湾のCMを観ながら鬼月を紹介していきます。

【2016全聯中元祭 做好事篇】

このCMは、台湾にあるチェーン店「全聯福利中心」というスーパーマーケットが製作したものです。鬼月の期間は、あの世から来た鬼にたくさんのお供え物をするため、スーパーマーケットや量販店では特設コーナーが作られます。それに合わせてCMも放送されるのです。このCMに出演しているのは「全聯先生(全聯さん)」という名前で、台湾でとても有名なタレントさんです。

鬼月で帰ってきている鬼達が、全聯先生には見えている……という設定。当時はこのCMに続編があり、実際に見えているバージョンの CMも放送されていたようです。

 

次は「貞子」をモチーフにしたバージョン。

【2013 全聯SMART中元節系列廣告 貞子篇 賺人熱淚完整版】

2013年から、貞子シリーズで鬼月のCMを放送してきた全聯福利中心。シリーズ最初では、大家族に歓迎されて迎え入れられ貞子が喜ぶ姿が見られます。全聯先生が貞子に渡している顔を洗う桶と水も、実際のお供えものに準備されるものだそうです。

ちなみに台湾では、無縁仏を「好兄弟」とも言います。良き兄弟、という意味で日常的にも使われている中国語。鬼月は、この世に好兄弟がたくさん来ているため「海に引き込まれてしまうので泳いではいけない」「連れて行かれてしまうので夜中に遊びに行ってはいけない」など、好兄弟に注意するためのたくさんの禁忌があります。

この「好兄弟」を題材としたCMもあります。こちらは2016年に放送された、カルフール(家樂福 Carrefour)のCMです。

【鬼來舞? 直擊好兄弟賣場開趴! 澎湃中元辦桌趴賓客即將現身!】


上記2つとは打って変わって、とても楽しそうな雰囲気。辦桌趴とは辦桌(=屋外で、テーブルにたくさんの料理を出して楽しむ宴会)趴(=パーティ)のこと。好兄弟は、CM内で「Good-brother」と訳されていますね。

好兄弟達を盛大に迎える鬼月。例年では、日本の観光客も夏休みでたくさん台湾へ旅行へ行っていた時期です。次回、鬼月のタイミングで台湾に行くことがある方は、ぜひ街中の様子を観察して鬼月期間の台湾を体感してみてくださいね。

 

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