2022-07-27 政治・国際

DX分野での台日連携は1+1=2以上の成果が見込める【台湾国家発展委員会 高仙桂副主任委員インタビュー】

注目ポイント

日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進が加速し、岸田政権の経済政策の中核にスタートアップ支援が位置づけられる中、30社超の台湾スタートアップ企業が参加する台日スタートアップイベントが東京で開催された。日本の企業、投資家、スタートアップ企業との連携強化でDX分野における台日企業の「Together, Go Big.」実現が期待される。

Startup Island TAIWANより

デジタルトランスフォーメーション(DX)分野で強みのある約30の台湾スタートアップが集結し、日本の投資家らと交流する「日本・台湾スタートアップサミット」が7月5、6日の両日に東京都内で開かれた。開催に向けて主導的役割を果たした台湾の国家発展委員会の高仙桂副主任委員(副大臣級)に狙いを聞いた。

 

――どうしてこのタイミングでサミットを開催しようと考えたのですか。

「台湾は市場規模が限られ、台湾の多くのスタートアップが日本市場に期待しています。台日が協力し合うことで技術革新が加速し、ビジネスチャンスも膨らみます。日本の入国制限が緩和されたタイミングで開催を決めました」

――なぜDXに着目したのですか。

「コロナ禍によってDXの重要性がますます高まりました。DXを加速させるには、この分野で強みのあるスタートアップの技術を活用していくことが近道です。日本でも岸田政権が新資本主義を唱え、今年をスタートアップ創出元年に位置づけています。台日でDX分野での技術・アイデアの交流を続けていくことで1+1=2以上の成果が見込めると思っています」

 

――台湾スタートアップの海外展開という点では日本以外にも注目している国・地域はありますか。

「かつてはシリコンバレーを目指す台湾人起業家が多かったのですが、最近では日本に高い関心を持つ創業者が増えています。KKDayやiKalaなどはすでに日本で事業を拡大しています。台湾では『南向政策』を推進し、東南アジアとの交流も盛んです。ただ東南アジアは政治的リスクもあるため、日本を含め台湾のプレゼンスを多様化する必要があります」

――半導体分野ではかつて台日が連携して中国市場を攻略していくという発想がありました。今回連携を呼びかける狙いはどこにあるのでしょうか。

「3つのつながりを重視しています。一つ目は台湾企業と日本企業とのつながりです。多くの企業がソフトやハードの統合ソリューションをのぞんでいるので協業が見えてきます。2つ目は日本の戦略的投資家とのつながりです。投資家を通じて日本企業や日本市場を一層理解でき、市場参入がしやすくなります。3つ目が日本のスタートアップとのつながりです。台湾と連携して第三市場をめざしてほしいと思っています」

――なぜ台湾単独ではなく日本とに連携を持ちかけるのでしょうか。

「もちろん台湾単独でもできますが、日本には素敵な戦略パートナーがいますので、彼らとビジネス創造できるのであればそれに越したことはありません。台湾と組んでも特許や市場シェアを横取りすることもありません。台湾企業の本質は他者と協力することであり、脅かす存在になることではないのです」

――スタートアップ育成に政府はどこまで関与すべきだと思いますか。

「どんなスタートアップを育成するか方向性を合わせ、一定の資金援助を行うことくらいでしょうか。資金援助よりもむしろ規制を緩和するなど民間企業が良い仕事をできるような環境整備に注力することが政府の仕事だと思います」

台湾国家発展委員会 高仙桂副主任委員

 

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