2022-07-21 経済

ホンハイがインドネシアに1兆台湾ドル投資へ新首都のスマートシティで新たな市場の開拓

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注目ポイント

鴻海(ホンハイ)のインドネシアへの投資は、現地の電気自動車サプライチェーンの発展にとって重要な一歩だと位置付けられている。インドネシアの新首都ヌサンタラで、電気バスシステムとモノのインターネットによるスマートシティが検討されており、これは、同地域の340億米ドルの建設プロジェクトを支えるもので、地元政府から強い支持を得ることになるだろう。

ホンハイは、次の黄金産業であるものを積極的に作っているーーーそれは電気自動車だ。劉洋偉会長は、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領と初めて会談し、電気自動車について話し合った。その中で、340億米ドル(約1兆台湾ドル)の現地建設プロジェクトを支援することが期待されており、電気バスシステムやIoT(モノのインターネット)スマートシティに注力し、電気自動車のサプライチェーンに向けて新たな市場を開拓しようとしていることが明らかになった。


ホンハイがインドネシアの電池原料、広大な市場にロックオン

実は今年1月の時点で、ホンハイはすでにインドネシア投資省、インドネシア電池会社(IBC)、インディカ・エネルギー、ゴゴロとの覚書締結を発表している。電池と電気自動車関連の産業チェーンに焦点を当て、持続可能な新エネルギー・エコチェーンを開発する。そのために、まずリン酸鉄リチウム(LFP)と全固体電池に注目し、地域の新エネルギープラットフォームの開発を目指している。

当初、ホンハイはゴゴロ、IBC、インディカと相互的な協力関係を核に、電池セル、電池モジュール、電池パックのほか、4輪電気自動車、2輪電気自動車業界向けのエコチェーン開発を含む幅広い投資分野を模索していることを強調していた。その他にもエネルギー貯蔵システム(ESS)、電池交換ステーション、電池リサイクルなどが含まれる。

今回のホンハイとの提携は、インドネシアにおける電気自動車のサプライチェーン構築の重要なステップになると考えられており、また同時に、ホンハイのサプライチェーンの重要な部分を補完するものでもある。

米ブルームバーグによると、ホンハイはインドネシアのヌサンタラで、電気バスシステムとモノのインターネットによるスマートシティの建設を検討しており、これは同地の340億米ドルの建設プロジェクトを支援することになる。また、現地市場を開拓するとともに、電池原料の供給を一元化することが期待される。


 

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GDP106兆ドル、ASEAN最大、世界16位の経済大国であるインドネシアは、人口2億7000万人と巨大な国内市場を有し、消費力も高く、平均年齢が30歳前後と人口ボーナスも大きいため、今後ますます発展が期待されている。

資源面では、原油、天然ガス、ゴム、丸太などの工業原料が豊富である。鉱物の生産量では、インドネシアは石炭、金、錫、ニッケルの世界最大の生産国だ。

インドネシア政府は、豊富な鉱物をバックに電気自動車やバッテリー産業を積極的に推進している。主要原料であるニッケル鉱石は、世界のニッケル備蓄量の約25%にあたる2100万トンを占めており、今後5年間はフェロニッケルやリチウム電池の生産など、ニッケル鉱山の川下産業の振興を強化する予定だ。

例えば、IBCは最近香港と積極的に協力しているが、中国、日本、韓国、アメリカの企業とも密接な関係があり、2035年までに電気自動車400万台、電気バイク1000万台の生産を目標に、事業や産業の共同開発について協議が行われる予定である。

ホンハイの電気自動車は電池原料、半導体から完成までを一手に引き受ける

ホンハイの過去3年間における電気自動車産業に関する計画を振り返ると、 台湾では鴻海、裕隆、三地集団が協力し、電気バスのエコシステムに注力するとともに、中炭素、榮碳、碩波、明圭材料などの台湾メーカーによる電池セルの研究開発を進めている。

中国では、ゴゴロと提携し電池交換システム「換換」を推し出し、 ヨーロッパでは、世界第4位の自動車メーカーであるステランティス社と半導体設計の分野で提携し、さまざまな車載用特殊チップを設計している。

そしてタイでは、ホンハイがPTTと共同で電気自動車製造の新工場を設立した。またサウジアラビアでは、マイクロチップ、電気自動車部品、モニターなどの電子製品を生産する多目的工場の建設を計画している。

その他にもメキシコでは、プレス部品、プラスチック部品、バッテリーカバーなどの自動車部品が主体となっており、最後にアメリカでは、ホンハイやLordstown、Fiskerなどの地元ブランドが、自社や他ブランドの電気自動車を製造している。

ホンハイは、少し前の「車載用チップ不足」を繰り返さないために、半導体分野にも積極的に進出しており、半導体の供給規模は拡大を続けている。台湾・中央通信社によると、ホンハイ半導体の年間調達額は600億米ドル(1兆7800億台湾ドル)以上で、世界の半導体調達市場の10%以上を占めている。

また、ホンハイの子会社である産業フロンティアが、中国の智路資產管理会社と共同でプライベートエクイティファンド「盛峰(広州)産業投資組合」に22億2000万人民元を投資し、66.65%の株とパートナーシップ、また4つの半導体パッケージングとテスト工場を取得したと報じられた。

劉会長は最近、世界の電気自動車市場は2025年までに6000億米ドル超で横ばいになると強調した上で、ホンハイは市場シェア5%を目指し、EVの売上高約1兆台湾ドルのうち半分以上を車両事業で賄う予定だと発表。また、ソフトウェアやコンポーネントの普及率は10%に達し、2025年には連結売上高になると予想している。

 


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