注目ポイント
鴻海(ホンハイ)のインドネシアへの投資は、現地の電気自動車サプライチェーンの発展にとって重要な一歩だと位置付けられている。インドネシアの新首都ヌサンタラで、電気バスシステムとモノのインターネットによるスマートシティが検討されており、これは、同地域の340億米ドルの建設プロジェクトを支えるもので、地元政府から強い支持を得ることになるだろう。
ホンハイは、次の黄金産業であるものを積極的に作っているーーーそれは電気自動車だ。劉洋偉会長は、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領と初めて会談し、電気自動車について話し合った。その中で、340億米ドル(約1兆台湾ドル)の現地建設プロジェクトを支援することが期待されており、電気バスシステムやIoT(モノのインターネット)スマートシティに注力し、電気自動車のサプライチェーンに向けて新たな市場を開拓しようとしていることが明らかになった。
ホンハイがインドネシアの電池原料、広大な市場にロックオン
実は今年1月の時点で、ホンハイはすでにインドネシア投資省、インドネシア電池会社(IBC)、インディカ・エネルギー、ゴゴロとの覚書締結を発表している。電池と電気自動車関連の産業チェーンに焦点を当て、持続可能な新エネルギー・エコチェーンを開発する。そのために、まずリン酸鉄リチウム(LFP)と全固体電池に注目し、地域の新エネルギープラットフォームの開発を目指している。
当初、ホンハイはゴゴロ、IBC、インディカと相互的な協力関係を核に、電池セル、電池モジュール、電池パックのほか、4輪電気自動車、2輪電気自動車業界向けのエコチェーン開発を含む幅広い投資分野を模索していることを強調していた。その他にもエネルギー貯蔵システム(ESS)、電池交換ステーション、電池リサイクルなどが含まれる。
今回のホンハイとの提携は、インドネシアにおける電気自動車のサプライチェーン構築の重要なステップになると考えられており、また同時に、ホンハイのサプライチェーンの重要な部分を補完するものでもある。
米ブルームバーグによると、ホンハイはインドネシアのヌサンタラで、電気バスシステムとモノのインターネットによるスマートシティの建設を検討しており、これは同地の340億米ドルの建設プロジェクトを支援することになる。また、現地市場を開拓するとともに、電池原料の供給を一元化することが期待される。

© 中央社
GDP106兆ドル、ASEAN最大、世界16位の経済大国であるインドネシアは、人口2億7000万人と巨大な国内市場を有し、消費力も高く、平均年齢が30歳前後と人口ボーナスも大きいため、今後ますます発展が期待されている。
資源面では、原油、天然ガス、ゴム、丸太などの工業原料が豊富である。鉱物の生産量では、インドネシアは石炭、金、錫、ニッケルの世界最大の生産国だ。
インドネシア政府は、豊富な鉱物をバックに電気自動車やバッテリー産業を積極的に推進している。主要原料であるニッケル鉱石は、世界のニッケル備蓄量の約25%にあたる2100万トンを占めており、今後5年間はフェロニッケルやリチウム電池の生産など、ニッケル鉱山の川下産業の振興を強化する予定だ。