2022-07-20 ライフ

連載「いちにの算数いーあるさんすー」 台湾ルネサンス時評:悲願達成、ブームからスタンダードへ

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注目ポイント

一世を風靡したタピオカミルクティ。コロナ禍も影響してか、一時期に比べると街中からお店は減ってしまいましたが、悪いことばかりではなさそうです。ライター・編集者の神田桂一さんによる、つれづれタピオカミルクティ考。

2018年あたりから始まった、タピオカミルクティブームも、やっと一段落したようにみえる。僕の家の近所にあったタピオカミルクティ屋さんも順調に潰れて、今は一軒しか残っていない。そもそも、タピオカミルクティ屋さんの店員に、「你是哪裡人?」と聞いたら、「中國人」と返ってきて、本場台湾人が経営している店は皆無に近かった。中国華僑恐るべし!というところだが、撤退も早かった。

でも、これだけタピオカミルクティ屋さんが日本で流行したのは、ある意味、タピオカミルクティ屋にとっては悲願とも言える。今まで、日本にタピオカミルクティ屋が進出しようとしたのは、今回含めて、三回くらいあった。しかし、二度、無残にも失敗し、撤退した。今回は定着したのではないだろうか。ブームからスタンダードへ。悲願達成である。台湾系のちゃんとしたチェーン店が残っているのが、素晴らしい。インチキな店舗は全部淘汰された。そしてちゃんと美味しい。素晴らしい。

ところで、台湾ではもちろん至るところにタピオカミルクティスタンドがあって、定着している。僕も街歩きのお供にとりあえず、購入する。タピオカミルクティを買うときは、珍珠奶茶(ジェンジュナイチャ)というのだが、台湾人は略して、ジェンナイというので、通ぶりたい人は日本の店舗でチェンナイと言ってみよう。その後中国語で話しかけられても僕は責任を取らない。

余談だが、タピオカミルクティの次に日本で流行るものというお題をある週刊誌から依頼されたことがある。そのとき、僕は、台湾で定番となっている芋圓を挙げた。タロイモやサツマイモを練って餅にしたものとタピオカやかき氷をまぜてスイーツにしたもので大変美味しい。しかしなかなか流行らない。しびれを切らしたので、副業として自分で始めようかと思っている。エンジェル投資家のみなさん、出資しませんか?絶対に儲かりますので。蒋介石が保証します。

 

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