2022-07-16 調査データ

沈静化の兆しが見られるコロナ禍の現状に対する実感

注目ポイント

本調査開始時(6月9日)の一日あたりのコロナウィルス新規陽性者数は約1.5万人で、連日10万人を超えていた2月より、ゆるやかな減少傾向が続いている。コロナ禍に徐々に沈静化の兆しが見られる昨今、前回調査時点と比べ日本国民の現在の認識、景況感は好転してきただろうか、またそれに伴って消費意欲にも変化はもたらされただろうか。

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本レポートでは、現状に対する実感、コロナウイルスの深刻度、消費財に対する予算の変化についても年代・カテゴリー別にアンケート調査を行い、コロナワクチンの接種状況にも注視した上、日本の一般消費者が現状をどのように感じているかについて考察した結果をまとめる。

 

現状認識に悪化の予兆 円安や国際情勢が重しに

過去1年間の日本の状況について、約半数の人が「悪化している」と認識しており、先月から心情の好転はみられていない。また、今後1年間の展望に関しても「悪化する」と予想する人の割合は45%と先月から4ポイント増となっている。コロナ禍が沈静化の兆しを見せてはいるものの、世界的なエネルギー需要の高まりから、光熱費やガソリン、さらに食料品など最近数か月間の物価高による家計への圧迫が、心情に大きな影響を与えていると思われる。

Q1. 過去1年間の日本の状況について、どのように感じていますか。感覚的に一番近いものをお選びください。(一つのみ選択)

Q2. 今後1年間で、日本の状況はどのようになると感じますか。自身の考えに一番近いものをお選びください。(一つのみ選択)

 

コロナワクチンの接種状況

本調査時点で、コロナワクチンを2回以上接種した人は81%、3回接種した人は全体の61%となり、3回目の接種完了者が前月より8pt増加した。5月25日より、接種対象者(高齢者及び、基礎疾患を有する方)を限定して、4回目の接種が開始されており、次月調査よりその推移を合わせて見守っていきたい。

 

日本国民のコロナウィルスに対する警戒感は落ち着きを見せている

新型コロナウイルスの現状について、本年2月には半数を超える人が「非常に危険だ」と感じていたが、その人数は徐々に減少し、今月調査では20%まで改善した。また、「それほど深刻ではない」と感じている人も17%まで増加し、日本国民のコロナウイルスに対する警戒感は薄れ、心情が明らかに好転している様子が伺える。

Q3. 日本の新型コロナウイルス(COVID-19)の現状についてどのように思いますか。

 

今後1か月の支出予算は全体を通して前月から大きな変化は見られず 

今後1ヵ月間の消費支出予想では、17%が消費の増加、29%が消費の減少を想定しており、先月とほぼ同様の結果となった。年代別では、30歳代で予算の増加を想定している人の割合が先月より4pt増加、若干の消費意欲の高まりがみられるが、40代では消費支出の減少を想定する人の増加が目立った。

商品カテゴリー別にみると、政府より夏季の観光需要喚起策が発表されたためか、「旅行」に対する支出は、50歳代を筆頭に、全ての年代で増額を想定する人の割合が先月よりも増加した。 また、「外食/娯楽」への想定支出は、16-29歳と50歳代で、それぞれ7pt、9pt増加と先月より大きな伸びを示している一方、「一般家庭用品」への支出については、先月とほぼ変わらない結果となった。

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