2022-07-11 政治・国際

ケネディ元駐日大使がたたえる安倍氏の功績 太平洋戦争の遺恨乗り越え日米同盟を強化

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60年近く前、ジョン・F・ケネディ米大統領が凶弾に倒れたように、日本では想像しえない銃撃というテロの犠牲になった安倍晋三元首相。そのケネディ大統領の長女で、駐日米国大使を務めたキャロライン・ケネディ氏(64)が、公私ともに親交のあった安倍氏の死を悼んだ。

現在、駐オーストリア大使を務めるケネディ氏は9日、米NBCニュースに豪州から中継で出演。安倍氏の悲報に、「世代に1人しか現れないような素晴らしい指導者だった。日米両国にとって、かけがえのないリーダーであり友人を失ってしまった」とし、悲しみと喪失感を表した。また、安倍氏の妻・昭恵夫人に「最も深い哀悼の意を伝えた」という。

ケネディ氏は、安倍氏が太平洋戦争による負の遺産を乗り越え、日米関係の絆(きずな)をより強固なものにするために貢献したと称賛。個人的にも父親である故ケネディ大統領自身が太平洋戦争に従軍したこと、安倍氏がケネディ大統領を大いに尊敬していたことや、ケネディ家と安倍家がともに政治家の家系であることなどで親近感を感じたと述べた。

ケネディ氏は、太平洋戦争が両国間に残した遺恨を晴らすために動いたのが当時の安倍首相とオバマ大統領だと指摘。それはオバマ氏が16年5月、原爆が投下された広島の平和記念公園を米大統領として初めて訪問し、安倍氏と共同で核兵器の廃絶を訴えたことが第一歩となったと指摘。その際、オバマ氏が被爆者代表2名と対話し、抱擁を交わした姿が当時大きく報じられた。

そして同年12月、今度は安倍氏が日本の首相として初めて米ハワイ・真珠湾の追悼施設「アリゾナ記念館」をオバマ氏と共に訪れ、太平洋戦争開戦のきっかけとなった1941年の真珠湾攻撃の犠牲者に対して哀悼の意を表明した。

広島と真珠湾への歴史的訪問の実現に大使として関わったケネディ氏は、「より平和な世界を構築しようとするリーダーシップの力量を見た」とし、一部の国民からの反発というリスクを顧みず、2人のリーダーは平和への決意でやり遂げたと敬意を表した。その結果、日米同盟はより強固なものとなったとし、ケネディ氏は、「日本と米国ほど強い同盟関係はない」と断言した。

一方、ケネディ氏は安倍氏の心温かい人柄にも数多く触れたとし、最も印象的だったエピソードを明かした。それはケネディ氏の長男ジャック・シュロスバーグ氏(29)の23歳の誕生日、ケネディ氏と2人で東京のレストランで食事をしていると、バースデーを祝おうと安倍氏がサプライズで登場したというのだ。

「ジャックは安倍首相を指導者としてとても尊敬していて、その安倍さんが突然やってきたものだから、その時のジャックの顔といったらプライスレスだった」と当時を振り返った。また、多忙の中、わざわざ息子のために時間を割いてくれた気さくさに人柄を感じ、家族にとって忘れられない思い出になると同時に、安倍氏による米国を代表する大使への友好的な外交でもあったと語った。ジャック氏は安倍氏の訃報を聞き、その時、3人で撮った写真をツイッターで公開した。

ケネディ氏はオバマ政権下の13年から17年まで駐日大使を務めた。

 

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