2022-06-28 政治・国際

南アの違法営業クラブで中高生22人集団死 死因不明で当局は事故・事件両面から捜査

© Photo Credit: AP / 達志影像

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南アフリカでは6月を「ユース月間」として若者の健全な成長を促進している。そんな中、同国では先週末、年度末試験を終え、違法営業のナイトクラブで開かれたパーティーに参加していた13~17歳とみられる中高生ばかり、少なくとも22人が集団で死亡するという前代未聞の悲劇が起きた。現時点で死因は特定されておらず、事故と事件の両面から捜査当局は慎重に調べを進めている。

米CBSニュースによると、悲劇が起きたのは26日未明。南アフリカ南東部ケープ州バッファローシティーのイースト・ロンドン地区で違法営業していたナイトクラブ「エニョベニ・タバーン」に学年末試験を終えて集まった少年少女たちが次々と死亡した。当局によると、死亡が確認されたのは少女8人と少年13人で、17人がクラブ内で発見され、5人は運送先の病院で死亡。現在4人が重体だという。

26日明け方、現場に駆け付けた市職員によると、空のアルコール類のボトルや、かつらや「ハッピーバースデー」の文字が入ったタスキなどのパーティーグッズが同クラブの外に散乱していたと報告した。

また、地元紙ディスパッチの電子版によると、「店内は椅子やテーブルが散乱し、遺体はテーブルの上や床の上に倒れた状態で発見された」と一報。当局は当初、将棋倒しによる圧死を疑ったが、どの遺体にも目立った外傷がないため、その可能性はないと判断。何らかの毒物や有害物質による中毒との関係性など、検視結果を待って死因を究明するとしている。

別の地元紙デーリー・マーヴェリックは、犠牲者は飲酒か水パイプの吸引により有害物質を摂取したことにより死亡した可能性を指摘している。

同国で飲酒は18歳以上と定められているが、〝シビーン〟と呼ばれる無許可で酒類を提供するナイトクラブは住宅地に多く存在している。これらのシビーンは違法営業のため、アルコール類の安全管理もされていない。中には住宅そのものをシビーンとして不法営業している経営者もいるという。〝ローリー〟と名乗る17歳少女はロイター通信に、シビーンは未成年者の間で人気だと語った。

ドイツで開かれているG7サミット(主要7か国首脳会議)に出席している南アのラマポーザ大統領は遺族に対して弔意を表明。その上で、「18歳未満の立ち入りが禁止されているはずの場所に未成年が集まり、そのような状況に陥ってしまったこと」に対して、深刻な懸念を示した。

地方政府のマブヤネ首相は、「一度にこんなに多くの若者の命が奪われるなど、信じられない」と衝撃を隠せない様子で記者団に語った。同氏は、「無制限のアルコール消費」に問題あるとして、酒類の規制強化を検討するものとみられる。マブヤネ氏はまた、「捜査当局は何らかの中毒によるものか詳しく調べている」とするにとどまった。

地元テレビは26日、同クラブの前に詰めかけたパーティー参加者の家族や集まった野次馬らの映像を全日繰り返し放送し、この悲劇が国民に与えた衝撃の度合いを物語っていた。

 

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