2022-06-28 流台湾

台湾語を話す松潤‐深山弁護士

© TBSテレビ公式サイトより

注目ポイント

公視台語台(公視台湾語放送局)は最近、台湾語吹き替えドラマ「99.9刑事専門弁護士」の放送を始めた。台湾で放送される日本のドラマやバラエティーは、ほとんど中国語字幕付き日本語音声だったが、台湾語オンリーは初めてかもしれない。

≪台湾語と中国語≫

台湾の公用語は中国語(普通話、北京語、標準語、中文、国語とも言う)であるが、日常生活やテレビ番組、選挙演説、会議、市場、家庭などでは台湾語もかなり使用されている。しかし台湾語が話せる子供の数は少なくなってきている。そのため小学校では、台湾語の授業もある。

台湾語は、台湾海峡を挟んだ向こう側にある福建省の言葉が基になった中国語の方言の一つで、台湾人の4人に3人が日常使用している言語であるが、日本語の方言を想像するのは間違いである。というのは日本では博多弁と広島弁と大阪弁と東京弁は互いに十分通じ合えるが、台湾語と中国語は同じ中国語グループといえども通じ合うことはない。下に例を挙げる(外国語をカタカナで表記する無謀さと無礼はお許しいただきたい)。

例1:「你要去哪裡?(どこへ行きますか)」

(中) ニー ヤオ チー ナーリー

(台) リ ベ キ トーイ

例2:「吃飯了没?(飯食った?)」

(中) ツー ファン ラ メイ

(台) チャ パー ボエ

中国語と台湾語はこのように一か所もカブっているところがない。

 

≪ドラマ99.9刑事専門弁護士≫

嵐の松本潤主演「99.9刑事専門弁護士」が台湾で初めて放送されたのは2016年7月4日で、その時は、他の日本のドラマ(台湾では「日劇」と言う)同様、日本語のまま放送された。台湾では基本的にちびまる子ちゃんやあたしンちなどのアニメ以外は、バラエティー番組もドラマも日本語が流れる。吹き替えして放送する時には、中国語で吹き替えが行われる。

2022年6月11日、公視台語台は台湾語に吹き替えられた「99.9刑事専門弁護士SEASONⅠ」の放送を始めた。吹き替えが台湾語オンリーというのは非常に珍しいケースで、ネットで話題になった。松本潤や香川照之、榮倉奈々などの声は、本人の声やしゃべり方、雰囲気と一致して違和感なく見られたが、岸部一徳の声はちょっと老人すぎるように思えた。

台湾のドラマには普通字幕スーパーがついていて、「99.9…」も例外ではない。このドラマは、音声は台湾語、字幕は中国語となっている。

 

≪字幕に見る台湾語表記の今≫

台湾語はもともと文字がない言語なので、字幕の書き方は統一されていない。

台湾語の発音にかかわらず中国語の文字をあてたもの、例えば、台湾語で「今晩」は「アムシ」と発音するのだが、字幕では中国語の「今晩(チンワン)」となっている。これ以外にも、「暗時(発音はアムシ)」のように台湾語の音に忠実に文字を当てはめたものや、この二つを混合して表記しているもの、或いは、漢字で表せない部分のみローマ字表記で発音を表したものや、中国語字幕と台湾語字幕、又は、台湾語字幕とローマ字発音を画面の下に二列で流すものなどがある。

字幕、つまり台湾語の表記はまだ発展している途中であると言えそうだ。映画やテレビの中国語字幕は99・9%だが、将来、台湾語のみの字幕が0.1%にとどまらない可能性もある。

 

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