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2022-06-24 観光

海への入り口?秘密の建物? 台北市立美術館の「藍屋」は“没入型パブリックアート”の青い家だ

© 臺北市立美術館

注目ポイント

先月21日、台北市立美術館の屋外に夢のようなレトロブルーの強い色調と、どことなく懐かしい雰囲気を醸し出す建物がオープンした。ワクワクが止まらない。いったいどんな建物なのだろう。

 

それはどうやら「藍屋(ブルーハウス)」と呼ばれているようだ。第9回X-siteプロジェクト
で最優秀賞を受賞したチームの代表作品。台北市立美術館が主催するこのコンペティショ
ンは、先日、屋外広場で作品が披露され、本作「藍屋」は、多感覚的な没入型アートを体
現したフロアの曲面構造が審査員に評価され、最優秀賞を受賞した。
「藍屋は、明確な目的を持たず、多機能な空間なわけでもなく、今回のイベントのためだ
けに作られた空間なのかもしれない。海や森の入り口、隠れ家のようなパブリックアート
。そしてもっと重要なのは、その場にいる人々の捉え方の違いだ」。藍屋のスタッフはコ
ンセプトをこう説明した。

© 臺北市立美術館


広場の中でひときわ目立つ「藍屋」は、台北市立美術館の純白の幾何学的な建築物とは対
照的で、この灰色がかったブルーの色合いは「藍屋ブルー」と呼ばれるようになった。こ
の特徴的な青色は、複数の意味を持ち、見る人の想像力に知覚的なフィルターを提供し、
展示されている期間、美術館の景観にも違った印象を持たせる。
建物全体の外観は、勾配屋根のフレームと不規則な構造が特徴的で、内部の湾曲した床は
3つの要素で構成されている。また、近年のX-siteプロジェクトの中では比較的珍しく、全
て木造の建物だ。「藍屋」では、さまざまなオブジェや装置を設置し、木の振動の周波数
、音階、方向、タイミングなどを体感させ、音でも空間を構成することを試みている。
建築的なパフォーマンスだけでなく、空間との密接な対話にも意味を持たせた。「藍屋リ
サーチ」という公開プロジェクトの名のもと、会場限定の対話ゲーム「藍字」を開催。こ
のプロジェクトでは、視覚障害者チームと協力して、視覚を使わない鑑賞を提供したり、
サウンドアーティストと協力して構造物を空間的な音を使う芸術に変身させるというもの
だ。このように「藍屋」の受け取り方を2種類作った。
「藍屋は7月30日まで、台北市立美術館屋外広場に展示される予定だ。また、展示期間中
には宿泊体験も実施し、さらに作品に没入した状態で体験することも出来る。この作品の
芸術性を、自分に合った最も快適な方法で、ぜひ体験してみてほしい。

 

© 臺北市立美術館

文:潘偉志 訳:黄群儒

 

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