2022-06-24

雨だからこそ映える 緑美しい竹林と乳白色のお湯「仙石原温泉 箱根温泉山荘 なかむら」

天気が優れないジメジメとした日が続きますね。まさに梅雨真っ盛りです。雨の中の露天風呂は、しっとりとした風情がありますが、晴れた日の爽快さに比べれば、少し残念に思われる方も多いのではないでしょうか。しかし、日本に数ある温泉の中には、むしろ雨の日との相性がいい景色もあります。また、内湯であれば天気の影響を受けずにお湯を楽しめます。

今回は、そんな雨模様でも映える竹林の深緑と、乳白色のお湯の色彩が美しい内湯を持つ「箱根温泉山荘 なかむら」をご紹介します。

「箱根温泉山荘 なかむら」外観

大小さまざまな温泉地が集合する箱根温泉エリア。「箱根十七湯」といわれるほど、多様な歴史、泉質、景観の温泉があります。今回ご紹介する「箱根温泉山荘 なかむら」は、箱根十七湯の一つに数えられる「仙石原温泉」にある旅館です。

仙石原温泉は、箱根の玄関口である「箱根湯本温泉」から、国道をさらに30分車で登ったところにあります。標高700メートルの草原地帯に、和風旅館からヨーロッパ風のホテルやペンション、保養所などが点在し、落ち着いた街並みです。

そんな仙石原温泉の中心地から少し離れた山の中に、「箱根温泉山荘 なかむら」はポツンと立っています。路線バスの「仙郷楼前」から徒歩5分ほどと、公共交通機関の利用も便利です。バス停から宿までの5分は急な登り坂で大変ではありますが、温泉までのちょっとしたウオーミングアップになります。

シンプルな洋風の外観は、山の緑に調和して、自然と溶け込んでいます。客室は全15室、静かな環境の中に立っているため、とても落ち着いた雰囲気の宿です。

大浴場「源氏の湯」

お風呂は男女別の内湯のみ。大浴場「源氏の湯」と小浴場「桐壷の湯」の2カ所があり、予約状況や時間帯による男女入れ替え制になっています。

訪れた日に入ったお風呂は、「源氏の湯」でした。10人以上は入れそうな長方形の大きな湯船に、それと同じくらい大きな窓が配され、内湯とは思えないくらい開放感のある空間が広がっています。窓の外には鬱蒼(うっそう)とした竹林が見え、乳白色のお湯とマッチして美しい。晴れた日の景色も素晴らしいですが、雨の日はいつもより色濃くなる竹林の緑と、乳白色のお湯とのコントラストが絶妙。雨だからこそ「映える」、絵画のような色彩にうっとりしてしまいました。

新鮮な湯が流れ出る「湯口」

泉質は、酸性-カルシウム-硫酸塩・塩化物泉。加水・加温・循環・消毒のない完全掛け流しで、鮮度を保った状態で浴槽へ。少し青緑がかって見えるミルキーホワイトのお湯は、ほのかに甘い硫黄の香りが漂い、温泉情緒抜群です。舐(な)めるとレモネードのように酸っぱく、刺激的な酸性泉ですが、ツルスベ感のある肌触りがまろやかで、しばらくお湯に身を沈めていると、全身を包み込むようなやさしい浴感に癒やされます。

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