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台湾の公用語は中国語。しかし、台湾では台湾華語や國語と呼ばれ、いわゆる中国語=北京語とは異なるところも多くあるんです。そのほか、たくさんの言語が日常的に使われている台湾の言語事情をkeiko在台灣さんが解説します。
大家好!keiko在台灣です。
「台湾が好きで、言葉も習っています」と自己紹介すると「台湾の公用語は台湾語ですか?」と聞かれることがよくあります。結論からいうと、台湾の公用語は中国語です。台湾華語・國語とも呼びます。今回は、台湾で使われている言語について書いてみようと思います。
【台湾華語とは、どんな言葉?】
私が調べてみた台湾華語の主な特徴を3つあげてみます。
●文字は「繁体字」
英語では「Traditional Chinese」と呼ばれ、日本で昔使われていた旧字体に似ています。
●発音記号は「注音符号(ボポモフォ)」
台湾独自の発音記号。声母21字と韻16字の37文字からなります。
●そり舌音がほぼない
中国語(北京語)にはそり舌音が多くありますが、台湾華語は比較的少ないです。聴き比べてみると、その違いがよくわかると思います。
その他。会話の中に台湾語が混じることがある。
台湾では日常会話の中で、台湾語由来の言葉が混じることがよくあります。外国人である私にとって、台湾語が混じるとその意味を調べるのが難しくなります。(台湾語の解説はこの後で!)
日本には中国大陸の中国語教材がたくさんあるため、簡体字で学び始めてから台湾華語に移行したり、台湾華語を習っているけど発音記号はピンインを使っていたり、という方もいるようです。
私も、初めは中国大陸の中国語の教材を使って勉強していたため、今でも発音記号はピンインの方が慣れています。中国人の先生にも教わっていたこともありました。そり舌や発音、声調の高低差などが台湾華語と違う部分があり、その感覚に慣れるまでは少し大変だった記憶があります。
現在私は、繁体字、簡体字を目的に合わせて使い分けて勉強しています。ですが発音記号で使えるのはピンインのみ。現在注音を勉強しているところです。
【台湾語とは?】
台湾語は「閩南語」とも呼ばれ、中国福建省にルーツを持つ言葉といわれています。発音は台湾華語とはかなり違います。例えば「我是日本人」を中国語でいうと「ウォ シー リーベンレン」になりますが、台湾語では「わーしー りっぷんらん」となります。台湾の歌手は台湾語の歌を発表している方も多いので、中国語の曲との違いを、ぜひ聞き比べてみてください。
台湾南部に行けば行くほど、たくさん使われている台湾語ですが、若い方の中には「聞き取れるけど話せない」「台湾語はわからない」という方も増えているそうです。