2022-06-20 ライフ

僕たちは修学旅行で史上初の快挙を成し遂げたかも 都立八丈高校は羽田空港でほぼ一日かけて何を学んだ?

1校時は、第2ターミナル国際線エリアのモダンな空間でスタート。

羽田空港を教室に行われた「授業」

2022年6月9日の午前9時55分、東京都立八丈高等学校の3年生48人が全日空NH1892便で羽田空港に降り立った。本来、修学旅行は2年生の時に行われるはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大によって何度か延期され、やっと実現したのである。2泊3日の短い旅で、初日の目的地は、ここ羽田空港。ほぼ1日かけて、羽田空港を見学するという。待ちに待った修学旅行の大事な1日を、なぜ羽田空港で過ごすのか? 生徒たちは何をするのだろうか?

最初に一行が向かったのは、第2ターミナルの国際線エリア。といってもピンとくる人は少ないだろう。2020年3月末にオープンしたものの、コロナ禍による国際線の大幅な減便を受けて2週間ほどで閉鎖され、現在も休眠中のエリアだからだ。今回は八丈高校のために特別に使用が許可され、片面すべてガラス張りで滑走路が見渡せるこのモダンな空間で、生徒たちの羽田空港見学会がスタートした。

まず発表されたのはこの日のスケジュール。学校の授業風に、1校時「羽田空港について・羽田空港のお仕事について」、2校時「航空会社のお仕事について」、「給食」、3校時「第1ターミナル見学」、4校時「第3ターミナル見学」、5校時は「羽田空港見学バスツアー」と盛りだくさんのプログラムが組まれている。

日本空港ビルデング・松井さんの説明に熱心に耳を傾ける生徒たち。

1校時を担当したのは、日本空港ビルデング(株)事業開発推進本部 事業開発部 事業開発課の松井秀夫さん。「みなさんは来年、就職や進学をされますが、空港でのお仕事も視野に入れてもらえることを願って、空港でのお仕事についてご説明させていただきます」と、羽田空港の概要について丁寧に説明。自身の就職体験も交えた具体的な話が多く、何やら就職説明会風でもある。

最新の手荷物チェックインマシンで自分の荷物の重さを量ったりする生徒たち。

この第2ターミナルの国際線エリアはANA便で使用されるので、2校時ではANAエアポートサービス(株)のグランドスタッフが講師を担当。未来的なデザインの自動チェックイン機や、手荷物の自動チェックインマシン、あるいはファーストクラスやダイヤモンドメンバーといった限られた乗客がチェックインするための部屋などを紹介しながら、航空会社の地上職員の仕事を説明していく。驚いたのは、スタッフの女性が搭乗客へ向けた場内アナウンスをして見せたときのこと。「誰かトライしてみませんか」と呼びかけると、男子生徒2人が臆せず立候補。マイクを片手に上手にアナウンスしたのだ。やるなぁ、最近の高校生。

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