2022-06-16 流台湾

歴史の散歩道-都会のオアシス リスが住む芝山公園-

注目ポイント

芝山岩は、台湾教育発祥の地、日本語教師の聖地である。お寺巡りが好きな人だけではなく、歴史好き、奇岩好き、リスなど小動物好きにとってもたまらない小山である。観光客はめったに来ない隠れた名所となっている。

≪知る人ぞ知る芝山公園≫

台北駅からMRTで約20分、芝山駅で下車してさらに20分くらい歩くと、芝山公園に着く。この山は標高52.8mの小山で、山裾をぐるりと歩くのも、てっぺんまで登って降りてくるのも30~40分くらいで、道はすべて木板と石段で整備されている手ごろな散歩道である。小山の上には3級古跡のお宮や国共内戦の時に作られた見張り站、大砲台などが散見できる。最高点(頂上)へ続く登り口はたくさんあるが、今回は恵濟宮口と百二崁口をざっと案内しよう。

恵濟宮

≪恵済宮と芝山公園は表裏一体≫

恵濟宮へ行くには、芝山の南にある鳥居をくぐって、赤提灯できれいに飾られた二百段余りの長い階段を上る。途中に観音像や、日本でもおなじみの布袋様、虎を組み伏している羅漢など、精巧な彫刻で、石段沿いに鎮座している圧巻の羅漢像が並び、お宮のちょっと下には「蛇蛙石」がある。それを過ぎると色鮮やかな恵済宮に着く。このお宮は1752年建立、日本統治初期は台湾初の学校として使われていた。今は3級古跡に指定されている。

羅漢像洞天福地

芝山の東側には「百二崁」と呼ばれる長い石段がまっすぐ伸びていて、学務官僚遭難の碑や六氏先生の墓まで行ける。筆者は好奇心から、本当に百二段あるかどうか実際に数えたことがあるが、百二十段あった。

 

≪時間広場≫

芝山岩の西側に、「時間広場」がある。きれいに並べられた石床に、2000万年前の台北の地層や280万年前の火山爆発、芝山の近代歴史まで丁寧に説明文が書かれていて、さらに奥に向かって突き当りまで進むと、台北の地形が一目でわかるパノラマが置いてある。そこからも台北市が一望できる。何百万年も前の台北火山や地層隆起などを想像しながら眺めるのも乙なものである。

時間広場台北一望

≪芝山巌事件 静かに眠る6人の先生≫

芝山の東に、六柱の位牌が並べられた立派な墓石が忽然と現れる。これが芝山巌事件の犠牲者である六氏先生の墓である。このエリアには事件の関連遺跡がほかにもある。コンクリート建ての小ぶりな建物は雨農閲覧室で、今は文字通り、地元の人が本を読んだり、自習したりする文化センター的な役割を果たしているが、ここも日本統治時代は学舎だった。閲覧室のすぐ裏手に平らな石で作られている石碑が二本立っていて、そこには台湾教育に殉じた数十名の教育者の名前が刻まれている。また、閲覧室の前には大きく聳え立つモニュメントがある。6人の先生を偲んで当時の首相伊藤博文が揮毫した石碑で、数十年前までは無造作に倒されて野ざらしになっていたが、2000年に有志によって立て直された。

雨農閲覧室

≪貝殻化石、大象石、洋葱石(玉ねぎ石)、太陽石≫

貝殻化石、象に見える「大象石」、玉ねぎのように見える(かな?)「洋葱石」などの奇岩がいたるところにあり、板を敷き詰めた散歩道の両側にうっそうと茂る木々の枝には台湾リスが走り回り、ベンチの上には人に慣れた猫が寝転がっている。木々の枝では鷺(さぎ)が甲高く鳴いている。恵済宮の入り口と百二崁口のちょうど真ん中あたりには、魚やカメが泳いでいる池もある。

芝山の散歩道は、都会の喧騒から逃れて、心癒されるのどかな散歩道である。

芝山の猫

 

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