2022-06-16 経済

トヨタが台湾で初の電気自動車「bZ4X」を発売 開始からわずか3時間で1500台受注

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注目ポイント

トヨタの豊田章男社長は、台湾での手頃な価格帯の電気自動車参入を表明し、2030年までに電気自動車の開発に約350億米ドル(約1兆500億台湾ドル)を投資し、30車種を生み出すことを発表した。また、グループの目標としてTOYOTA・LEXUSを含め、全世界で350万台の電気自動車を販売するという。


これまで台湾では「手の届く価格の電気自動車」がなかった。しかし、トヨタの電動SUV販売の成功、政策的支援、充電パッドの普及により、今後「より安価」な電気自動車が発売されることが期待されていた。台湾トヨタの販売代理店である和泰汽車の代表・蘇淳興氏は、電気自動車の市場シェアは5%を超え、今後、爆発的な時代を迎えると強調し、同時に「台湾の電気自動車はまもなく大衆の生活に参入するだろう」とコメントした。

電気自動車といえば、真っ先に思い浮かぶのがテスラである。人々に高級なブランドイメージを与える一方で、創業者のイーロン・マスク氏は近年、手頃な価格の自動車市場への参入を試みているが、それに伴う「大量生産」の供給には、常に大きな問題を抱えている。

現在、台湾ではテスラ モデル3の後輪駆動モデルが173.7万台湾ドルで販売されている。モデル3ロングレンジは207.1万台湾ドル、モデル3パフォーマンスは233.6万台湾ドル程度だ。(2022年3月現在)

一方で、中国の電気自動車は価格帯も種類も遥かに多様だ。例えば、中国のWuling Hongguang Mini EVは約12万台湾ドルで買える。「ブルーム・バーグ・ニュース」は、Wuling Hongguang Mini EVが2020年7月の発売以来、ほぼ毎月テスラを上回る販売台数を記録しており、2倍の販売台数を記録したこともあると伝えている。

名古屋大学の山本真義教授は「日経アジア」の取材に対し、システム構成では他車種に劣るものの、手頃な価格の電気自動車で、街中を走るだけなら十分すぎるほどの走行距離を確保することができると語った。

その上、部品交換の容易さ、4人乗車可能なスペースを持ち合わせることから、ミニEVは中国のマスマーケットに参入することができた。一方、台湾ではこのような価格の電気自動車がなかった。そのため、電気自動車の普及がなかなか進まなかった。だが今年5月、ついに台湾の市場が変わったのだ。

台湾最大の自動車メーカーでもあるトヨタbZ4Xの電気自動車のマスマーケット参入と販売成功は大いに期待されている。まだ100万台湾ドルを超える価格だが、今後、より求めやすい価格のモデルも発売される予定だ。


「business today」は、台湾では300台のbZ4Xの初回ロットがわずか30分で完売し、さらに3時間で1,500台以上の注文を受注したと報道した。

前出の蘇氏は、次のように述べている。「(電気自動車の)シェアが5%を超えると、爆発的な普及期を迎えます。 これが意味するところは、台湾ではさまざまな政策支援により、電気自動車の市場が大きく成長したということです」。

実際に今回のトヨタの電気自動車bZ4Xの発売は「前哨戦」と言えるだろう。電気自動車の普及を成功させるのは簡単なことではなく、あらゆる場所に十分な充電設備を設置することに加え、急速充電と低速充電の2種類の充電スタンドを用意しなければならない。また、市場のさまざまなニーズに対応し、走行距離の面でも国民の期待に応えなくてはならない。

「ビジネスタイムズ」によると、カーディーラー以外の各事業者によるEV充電サービスへの投資が顕著に増加しているという。Yes!Call、EVALUE、noodoe、EVOASISなどの民間事業者も、充電スタンドを随所に積極的に展開することで、路面電車の環境をより優しいものにしている。

トヨタbZ4Xは、電気自動車市場のさらなる拡大のため、iRentやyoxiなどのレンタル・タクシー配車市場にも戦略的に投入している。これに対し、市場関係者は「business today」の取材に次のように語っている。「台湾の市場規模は他国ほど大きくはないが、製造・販売・保険のシステムが発達しており、非常に参考になる社会だと思う。また、選択肢の幅が広がることは、消費者にとってもメリットがある」。

同時に、トヨタが今後、台湾で電気自動車市場を積極的に開拓していくことも意味している。台湾の政策ペースでは、2030年に電気自動車の比率が30%に達し、2035年には60%に倍増し、2040年には全面的に電気自動車時代に突入させたい意向だ。蘇氏も「これは非常にチャレンジングな目標だが、和泰はこの方針に全面的にコミットしていく」と語った。

現在、電気自動車の電池はコストが下がり、技術も高度化しており、特に手頃な価格の大手メーカーであるトヨタの積極的な関与により、電気自動車が我々の日常の足として活躍するハードルは日々低くなっている。今後は、より競争力のあるCP価格を設定し、台湾の消費者市場を積極的に開拓していくことが期待できる。

蘇氏は、消費者に幅広い選択肢を提供するため、トヨタに台湾市場への安価なモデルの投入を要請すると公言し、台湾の電気自動車がまもなく大衆市場に参入することを発表した。

 

 

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