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先週末、中国北部・河北省唐山の焼き肉店で、女性客3人らが男数人に殴る蹴るの暴行を受ける事件が発生。その一部始終をとらえた防犯カメラの衝撃映像がソーシャルメディアで拡散し、国民を震撼させると同時に、国内で頻発する女性に対する暴力の実態が再び浮き彫りになった。
CNNによると、四川省で昨年9月、30歳のチベット人女性ブロガーがSNSでファンのためにライブ配信中、再婚を求めたが拒否された元夫が侵入し、女性にガソリンをかけて火をつけ、焼き殺すというショッキングな事件が発生。離婚前から女性は日常的に虐待されていたことが裁判で判明。男は事件から1か月後の同10月、死刑を言い渡された。
また、今年に入り、江蘇省の小屋で首から鎖でつながれた女性の衝撃動画がSNSで拡散した。8人の子供の母だというこの女性は、保護した当局に、当初は否定し続けていたが、自分が人身売買された犠牲者だと認めた。
「個々の犯罪は裁かれて当然だが、体系的な女性弾圧の問題を提起せず、男尊女卑や暴力を助長する社会規範を変えない限り、また次に起きる事件で怒りが爆発するだけだ」と先述の記事は訴えている。
だが、女性に対する性差別問題は中国政府にとっては避けたいトピックなのだ。政府はこれまで、同国でのフェミニズム運動を取り締まり、活動家を逮捕し、インターネットでの議論を締め付けてきた。
今回、唐山で起きた事件に関しても、ウェイボー運営は11日、「意図的にジェンダー問題をあおった」として992件のアカウントをブロックしたと発表。言論統制の厳格な中国で、女性弾圧の問題は再燃しても、公然と議論することは困難なのが現実だ。
(動画参考リンク:ロイター公式サイト)
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