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2022-06-13 観光

肥満や二日酔いの心配もなし? 台湾でブームの新たなお酒の嗜み方

注目ポイント

アルコール耐性が低く、お酒に弱い人が多いとされる台湾で、ちょっとした人気になっているのがお酒を気化させて風味を味わう新感覚のアルコール体験。独特のリラックス効果に、健康面でのメリットも多いという。

「台湾人は世界一お酒に弱い」。そのようなニュースを見たことがありますか?

台湾ビールや高梁酒、高級ウィスキーのKAVALANなど台湾生まれの有名なお酒もあり、美食のお供にお酒もよく飲んでいるとイメージされることも多い台湾。

しかし、そのアルコール耐性の実態は真反対のようです。

スタンフォード大学の研究によると、5億6,000万人ものアジア人が「アルコール不耐性」と報告されています。これは、アルコールに触れたり摂取したりすると皮膚に赤みが生じたりする症状を引き起こします。さらに飲酒を原因とする病気になる割合が高くなるようで、アルコールを代謝させるアセトアルデヒド脱水素酵素が不足していることが主な原因とされています。

そのアルコール不耐性の比率が比較的高いアジア人の中でも、アルコール代謝関連の遺伝子欠損率が世界一高いと言われているのが台湾人です。日本人が30%であるのに対して、50%弱の台湾人に関連遺伝子の欠損が見られるとのこと。これはがんにかかるリスクにも関係しているため、お酒をたくさん飲むことで食道がんなどになる確率が50倍も高くなるとも言われています。台湾の衛生福利部国民健康署によると、飲酒運転等も含めると、台湾では毎年約4,500人がお酒に関わる原因で命を落としており、多くの医師が飲酒に対する健康上の危険性を警告しています。

そんなアルコール耐性は世界一弱い台湾ですが、お酒を気化させて風味を味わう製品「AIRCPHOLIC(エアクフォリック)」がちょっとしたブームになっているようです。これは台湾のガラス職人による吹きガラスの技術で作られており、葉巻のような感覚で気化したお酒の風味をストローで味わうことができます。気化されたアルコールが喉を通っていくことによって、独特のリラックス効果が得られるのだそうです。35度以上のお酒を入れると官能検査最高指数の体験を再現できるようで、ウォッカやブランデー、ウィスキーなどがおすすめとのこと。このような多くの人に飲みにくいと感じられていた強いお酒も気軽に味わうことができ、また吸収されるカロリーが低く抑えられるため肥満予防になり、二日酔いの心配も少なくなるようです。

これは、アルコールへの耐性がないけれど「お酒を味わいたい」「リラックスしたい」などの願いから生まれた、新しい「文化」なのかもしれません。

過剰摂取には気をつけなければいけませんが、アルコールに強い弱いに関わらずお酒を嗜む習慣として私たちの生活の中に定着する日も近いのでは…と思ってしまうのは私だけでしょうか?

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