2022-06-09 経済

BMWのCEOがガソリン車の放棄に反対原材料を中国に制限される可能性を指摘

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注目ポイント

2021年、中国は電気自動車を世界のどの国より多く輸出し、その数は約50万台。同国の税関総署によると、乗用車輸出台数は2020年比で2.6倍と大幅に増加している。


各国はガソリン車廃止の見通しを立てており、大手自動車メーカーも電気自動車市場への参入に意欲的だ。しかし、BMWのオリバー・ツィプセCEOは最近、政府のガソリン車廃止計画に反対で、電気自動車への完全移行は間違った戦略であると主張している。

その理由は、消費者がガソリン車という選択肢を失うだけでなく、原材料の面で中国に制約される可能性があるからだと指摘している。世界の電気自動車の輸出の57.4%は中国が占めており、昨年の電気自動車輸出台数は世界一だ。

ドイツ自動車工業協会と日本貿易振興機構のデータによると、ドイツの電気自動車輸出総台数は23万台と倍増し、米国は30%減の約11万台、日本は24%増の2万7000台となった。しかし、これらの国をすべて合わせても、中国の輸出量には及ばない。

日経アジアはこう伝えている。中国は世界の電気自動車生産の約6割を占め、世界の電気自動車工場になりつつある。また、中国は世界のスマートフォンの7割近くの生産台数を有しており、世界の液晶シェア率の6割を占めている。これからの時代、自動運転車の開発が有利になる。中国の電気自動車輸出先の伸び率が最も高い地域はヨーロッパで、2021年には5倍に増加する見込みだ。この地域は中国の電気自動車輸出総数の半分に達しており、その中でもベルギーが8万7000台、イギリスが5万台を輸入していることから、この2か国がヨーロッパにおける中国の主要市場であることが分かる。

注目すべきは、2021年に中国が輸出する約50万台の電気自動車のうち、10万台がテスラの上海工場で生産されていることだ。中国の電気自動車部品メーカーの関係者が日経アジアにこう語った。「中国での生産コストは、材料調達の効率化により、他の地域よりも約50%低い」。

一方、イギリスの調査会社、LMCオートモーティブは、2021年の世界の電気自動車台数は399万台で、中国が57.4%、ヨーロッパと米国がそれぞれ22%と12%、日本はわずか0.9%だったと調査結果を発表している。つまり、中国は世界の電気自動車保有者の半数以上を獲得しており、その調達力を武器に、世界シェアを拡大している。この極端に急速な拡大が、BMWのオリバー氏の目に留まったのだ。

ガソリン車禁止を目指すことにより、すでに多くの国、メーカーが電気自動車への切り替えを計画しているが、オリバー氏は、原材料の依存は一部の国に限定され、特に電池材料が中国に支配されることになると危惧している。

BMWはiX、i4、iX3などの電気自動車を投入してはいる。だが、収益性が高くまだまだ成長の余地がある内燃機関を捨てたわけではない。さらに、電気自動車の原材料を一国に過度に依存すると、原材料の供給が途絶えたり、サプライチェーンが途切れたりする危険性があると説明したオリバー氏は「もし、何らかの理由で電気自動車を買えず、従来のガソリン車が必要な人がいたとしたら、その人に対して買い替えずにずっと古い車に乗り続けることを勧めますか?仮にあなたが(BMW)内燃機関の販売をやめても他の人(他社)は続けるでしょう」と強調した。

利益面でも環境面でも、よりエネルギー効率の高い内燃機関自動車の提供が鍵になると指摘し、特に「充電インフラの不備」と「電気自動車の高コスト」を考えると、従来型の車に対する需要はまだあるともオリバー氏は話している。

実際に昨年、中国とドイツ間で自動車部品をめぐり溝ができた事がある。北京当局は、ドイツの大手自動車部品製造会社コンチネンタルに対し、ドアやシートを制御する装置など、リトアニアの先進工場で作られたスペアパーツの使用を中止するよう圧力をかけたのである。この事件は、ドイツ、アメリカ、中国の政治的なせめぎ合いにも発展した。

現在、BMWの最大の市場は中国だ。それでも今回のオリバー氏の発言で、今後のBMWの戦略が示唆されたように思える。それは、事業の多角化を図り、大手自動車メーカーの電動化姿勢とは対照的に、伝統的な内燃機関車も残しつつ、将来的にはニッチな市場も取り込みたいという狙いだ。

 


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