注目ポイント
天然痘に似た「サル痘」の感染者が、世界で1000人を超えた。手や顔に特徴的な発疹が出るほか、発熱、頭痛、リンパ節の腫れといった症状を訴えるというサル痘。アジアではまだ確認されておらず、アフリカ以外で死者はまだ報告されていない。今後、新型コロナウイルスのようなパンデミックが起きる可能異性はあるのか―。
また、アフリカ諸国以外で感染拡大しているサル痘は、西アフリカ系統のウイルスで、致死率は3%以下とされる。一方、中央アフリカ系統のウイルスの致死率は1~10%だが、WHOはこれらの数字はアフリカ諸国で感染した若い世代の統計だとしている。ただ、小児においては高い傾向にあるという。
サル痘のワクチンに関しては、天然痘ワクチンの代用など、いくつか存在している。
同ニュースサイトによると、米国では食品医薬品局(FDA)が2007年に米製薬会社エマ―ジェントが開発した天然痘ワクチン「ACAM2000」や、19年にはデンマークのババリアン・ノルディック社による天然痘とサル痘に有効な成人用ワクチン「Jynneos」を承認した。だが、ACAM2000をめぐっては、心臓や脳の炎症、失明、胎児の死亡など重篤な副作用が報告されているため、使用は限定されている。
では、サル痘ワクチンの接種が必要かというと、WHOは高リスクの環境にいる場合のみ推奨するとしている。
一方、治療法はまだ確立されたものがなく、対症療法のみだ。天然痘の経口治療薬として開発された「テコビリマット」や抗ウイルス薬「ブリンシドフォビル」などが治療薬の有力候補として挙げられている。
だが、具体的にどの動物がサル痘ウイルスを媒介し、感染拡大を引き起こしているのか、どのような治療が最も有効なのか、どう感染が広がるのかなど、ウイルスの基本的特徴さえまだ解明されておらず、今後のさらなる研究に期待が集まる。
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