2022-06-11 ライフ

「エシカルってどういうこと?」 ココリコ田中さん、斎藤幸平さんらがイベントに登場

東京都内で行われた『エシカル白書2022~2023』の出版記念イベント。

最近、聞く機会が増えた「エシカル」という言葉。学校現場でエシカル消費が取り上げられるようになり、国連のSDGs(持続可能な開発目標)ともしばしば結び付けられているが、「倫理的な」を意味するエシカルが包括する対象は非常に幅が広い。「何をすればエシカル?」「エシカルな生活って具体的には?」と疑問を抱いている人も多いだろう。しかし、それも無理のない話だ。MSC(Marine Stewardship Council)という「海のエコラベル」のアンバサダーを務める、タレントのココリコ田中直樹さんも「『エシカルってどういうこと?』としっかりと分かっているかというと、そうではない」と話している。

エシカル協会の代表理事・末吉里花さんと対談したココリコ田中直樹さん(右)。

ココリコ田中さんは6月7日、一般社団法人「エシカル協会」(東京)が刊行した『エシカル白書2022~2023』の出版記念イベントに登壇。同協会の代表理事である末吉里花さんと、テーマ「エシカルな社会を創る」について対談した。ココリコ田中さんがエシカルな生活や地球環境に興味を持つようになったのは、自身の苦しい体験が元になっている。自分のキャリアや将来に非常に不安を感じていたころ、シンプルな生き方をしている動物たちのあり方に救われたという。“食べて・寝る”という生物学的なヒトでOKだと考えることで、気持ちがラクになったと言及。そこから、(生息場所をなくしたり、絶滅の危機に瀕していたりする)ほかの仲間(生き物)に目を向けるようになったと“告白”した。

ココリコ田中さんは、「(エシカルに興味を持つ)入口は人それぞれ」と分析。そして「知ることが大事だとエシカル白書を読んで気付かされた」と説明した。例えば、地球温暖化の影響でホッキョクグマの数は減少している一方、南極に住むペンギンが主食とするオキアミの数は増えているという。「自分は生き物だったが、ホッキョクグマ・ペンギン・温暖化・地球全体の話。何かしら引っかかるところがあるのでは」との考えを示した。

イベントでは、対談の直前に白書の解説が行われ、同協会が実施した「エシカル消費」に関する調査結果が披露された。10~60代以上の男女6,040人を対象としたアンケートで、エシカル消費を「知っている」と回答した人は48.8%。そして、エシカル消費に「興味がある」とした人は69.1%だった。年代別に見ると、20~60代以上で興味があるとした人はそれぞれ80%以上であったのに対し、10代は45.6%とダントツで最下位。「興味がない」と答えた10代も12.9%と多かった。そのうち、9割は「エシカル消費という言葉を聞いたことがなかった」としており、教育現場を含めた社会全体でもっとエシカルに取り組む必要性を浮き彫りにした。

エシカル協会が実施したアンケート結果。

エシカル協会が実施したアンケート結果。

イベントの後半を飾ったのは、ベストセラー『人新世の資本論』の著者で、経済・社会思想家の斎藤幸平さんをはじめとする同白書の執筆者たちによるパネルディスカッション。動物福祉を専門とする岡田千尋さんは、畜産の問題が森林破壊・気候変動・人権問題などにつながっていると指摘。「私たちの欲求が、生きるすべを食らい尽くしている」と警告した。斎藤さんも「(本質的な解決のためには)もっと電気自動車に乗ろうでは本末転倒。経済成長という目標のために、ジェンダー平等・格差解消などが犠牲になる。(本来の)脱炭素が目指しているのは、もっと公正で平等で自由な社会。脱成長、システムチェンジが必要」と断言した。

イベントに登壇した斎藤幸平さん(左から2人目)ら。

人間によかれと考えたことが、動物たちによいとは限らない。日本にとってよいと思ったことが、地球の裏側の途上国の人たちにとってよいとは限らない。エシカルやサステナブルな生き方をするには、まず知ることが大事。その一歩として、『エシカル白書』を仲間と共有するのもいいかもしれない。
あなたが行動に移せるエシカルは何?

イベントに登壇した斎藤幸平さん。

 

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