2022-06-03 政治・国際

若い世代ほど意識高め? 調査結果から見る台湾人の防災意識ー日本と台湾の〈そなえ〉2

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注目ポイント

日本と台湾の防災に関する〈そなえ〉をテーマにした連載企画の第2回。台湾で実施したアンケート結果から、台湾で生活する人々の防災意識を紐解くと、日本との共通点、そして世代間の違いも浮き彫りになった。

日本では地域によって意識に違い

南海トラフ地震や首都直下型地震の危険が叫ばれ、台風や豪雨災害も深刻さを増している今、いつ何時、自分たちの身に自然災害が降りかかるかわからない。日頃からの備えが大切となるが、日本と並んで地震や水害が多い台湾で、人々はどんな備えをしているのか。The News Lens Japanが台湾で生活する人々を対象にした調査結果を紐解いていく。

まず、台湾の調査結果を紹介する前に、日本で暮らす人々の意識にも目を向けたい。日本赤十字社は東日本大震災から10年目の昨年2月、「東日本大震災から10年、災害の記憶と災害意識の変化に関する実態調査」を発表した。

調査対象は、東日本大震災の被災地(岩手、宮城、福島)に居住歴のある、または現在居住している20歳以上の男女100人と、その他主要都市(東京、愛知、大阪、福岡)に現在居住している20歳以上の男女400人。

調査によると、災害に対する「備え」の状況について、被災地の居住者の67%が「必要となる備えを十分に行っている/十分とは言えないが、一応の備えをしている」と回答した一方、その他主要都市の居住者では49.3%と半数を下回った。

Q. あなたのご家庭は、災害に対してどの程度の「備え」を行っていますか。
出典:日本赤十字社「東日本大震災から10年、災害の記憶と災害意識の変化に関する実態調査」を基に作図

また、東日本大震災をきっかけに取り組みを始めたことについて、被災地の居住者では「家族や親族と連絡方法を決めた」「地域住民との交流を始めた」などと回答した人が、その他主要都市の居住者の回答と比べて多い結果になったほか、被災地・その他主要都市の居住者ともに、「何も取り組んでいない」と回答した人が30%を超えていることも明らかになった。

Q. 東日本大震災をきっかけに、あなたが取り組みを始めたことはありますか。(複数回答)
出典:日本赤十字社「東日本大震災から10年、災害の記憶と災害意識の変化に関する実態調査」を基に作図
 
日本との共通点と世代間の意識の差

では、台湾で暮らす人々の防災意識にはどんな傾向が見られるのか。今回、The News Lens Japanは台湾で暮らす16歳から60歳の男女831名を対象に、「大地震などの自然災害のためにしている備えについてのアンケート調査」(加重平均)をインターネットで行った。

回答がもっとも多かったのは「食料・飲料水の準備」の50.4%で、次いで「緊急避難セット(緊急避難袋)の用意」「避難する場所を家族や親しい人と話し合っている」となり、「特別な準備はしていない」という回答も一定数あった。

「大地震などの自然災害のためにしている備えについてのアンケート調査」(複数回答)

この結果を世代別で見てみると、世代間での防災に対する意識の差も垣間見られた。

例えば「特別な準備をしていない」と回答した人は50歳から60歳がもっとも多く(28.1%)、40歳未満の世代では20%以下となり、調査対象でもっとも若い16歳から29歳の世代は19.1%と、5人に4人が何らかの準備をしていることがわかった。

この若い世代は「避難する場所を家族や親しい人と話し合っている(41.5%)」「住まいの耐震性を調査し、補強している(24.1%)」「防災訓練に参加した(30.9%)」などと回答した人の割合が全体平均よりも目立って多い。

家族や親しい人との連絡方法や避難場所を決めていたり、防災備蓄に意識的に取り組んでいたりするなど、日本と台湾で共通点が見られた一方で、台湾では若い世代を中心に、防災への備えの意識が高いことがうかがえた。

 

 

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