開票日カウントダウン

選挙ページへ

2022-05-29 政治・国際

PM2.5から身を守るためにすべきことは

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

PM2.5は人体に入る場合、2つのパターンがある。1つ目は鼻腔から入り肺に直接影響を与え、それが全身の組織や臓器に影響を及ぼす。そして2つ目は、私たちの肌や目に取りついて、常にかゆくし不快にさせる。

1)PM2.5とはどんな物質なのか?

PM(Particulate Matter)とは、私たちが毎日呼吸している空気中に浮遊する塵のような粒子の塊のことである。肉眼で確認するのは難しいほど小さな粒子だが、その大きさには違いがあり、2.5ミクロン以下のものが、よく耳にする「PM2.5」と呼ばれる微小粒子状物質である。

PM2.5は気道の繊毛や粘液でろ過されないため、一度吸い込むと一気に肺に到達して蓄積されることから、別名「肺吸入粒子状物質」とも呼ばれている。高濃度のPM2.5を長時間吸引または曝露(ばくろ=浴びる)すると、アレルギー発症、喘息(ぜんそく)、心疾患等を引き起こし死亡リスクが高くなる。アレルギー体質の人であれば、その症状はさらに重くなる。
 

2)発生源

PM2.5の発生源は、「一次起源」と「二次起源」に分類される。まず、自然または人為的な直接排出によって一次的に発生するものとして、海塩の飛沫、野焼き、輸送機関の排出ガス、工業排出ガス、家畜の排泄物などがある。そしてそれらが大気中で複雑な化学反応と光化学反応を起こし、二次的に生成されることになる。光化学反応は日射によって促進されるため、正午に向けて濃度は上昇する。

台湾では、PM2.5の発生源のうち30~37%が移動体由来(バイク、乗用車、トラックなど)、27~31%が工業由来(電気、鉄鋼、化学材料製造など)、32~43%がその他の由来(道路塵、建設現場、屋外燃焼、空き地の土埃など)である。

台湾の大気中のPM2.5は本土からの排出のほか、国外流入の影響も受ける。環境保護署の拡散シミュレーションデータによると、国外流入物質が台湾のPM2.5濃度に影響を及ぼす割合は年間平均34.0%(66.0%が国内源)で、季節の変わり目と秋冬の2シーズンは高い数値を示し(それぞれ37.8%と41.7%)、夏期は10.1%となっている。

近年、中国大陸の工業が急速に発展し、大気汚染物質の排出問題もますます深刻化している。1995年から2010年にかけては、中国大陸地域のNO2とSO2(PM2.5前駆物質)などの汚染物質濃度は2倍に増加した。中国大陸東北地域の大気汚染物質は、気流とモンスーンによって近隣の台湾に長距離移送され、特に秋冬の季節は、台北地区の空気の質に大きく影響を及ぼし、国民の健康を損なうリスクはかなり高まっている。

国家環境医学研究所の大気汚染に関する研究によると、大気中の粒子物質PM10の汚染物質に比べて、小粒子PM2.5は台北地区に長距離移送しやすく、大気の質を悪化させ、冬は夏よりも深刻になる。特に汐止区はPM2.5の長距離移送による影響度が永和区より高くなる。台北地区のPM2.5質量濃度の25%は、中国大陸地域の長距離移送に起因しているが、大部分のPM2.5は台湾本土の汚染源に由来するもので、環境保護署が提供したデータ結果とほぼ一致している。

⎯  続きを読む  ⎯

あわせて読みたい