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米国で今週、またもや銃による悲劇が繰り返された。南部テキサス州ユバルディで24日、18歳の男が小学校に押し入り、用意した銃を乱射。児童19人を含む21人が死亡した。男は駆け付けた警察官に、その場で射殺された。年々増加する米国の銃乱射事件だが、過去に米国で発生した犠牲者数の多い銃乱射事件ワースト10のうち、半数がテキサス州で発生していた。その理由とは―。
テキサス州ユバルディで24日午前、地元の高校に通っていた18歳のサルバドール・ラモス容疑者が、「(同居する)祖母を撃った」とフェイスブックに投稿し、続けて、「これから学校で銃撃する」などと犯行を予告する内容の投稿をしていたことが分かった。最初に撃たれた祖母は重傷を負ったとしている。
AP通信によると、容疑者は今月、現地で合法的に銃が購入できる18歳の誕生日を迎え、地元の銃砲店でライフルや弾薬を相次いで購入していた。学校でいじめを受けていたとされるが、詳しい犯行の動機などは明らかになっていない。
事件を受けてバイデン大統領は、銃規制強化の重要性を訴えたが、共和党のアボット・テキサス州知事は会見で、その必要はないとし、銃規制をめぐる意見の隔たりが改めて浮き彫りとなっている。
同州オースティンのNBC系列のテレビ局KXANは、過去に米国で起きた銃乱射事件のうち、今回を含む犠牲者数の多い事件ワースト10の半数が同州で起きていると伝えた。テキサス州は人口規模では全米でカリフォルニア州に次いで2番目。だが、カリフォルニアがワースト10に入っているのは1984年にサンディアエゴのマクドナルド店で21人が死亡したサン・イシドロ・マクドナルド銃乱射事件だけだ。
その全米ワースト10のうち、テキサス州で発生した事件は、24日のもの以外は次の通り。
●1966年8月1日 テキサスタワー乱射事件
元海兵隊員で大学院生だったチャールズ・ホイットマン(当時25)は、テキサス大学オースティン校にある本館時計塔に狙撃ライフルなど銃器を持って立てこもり、銃を乱射。妊娠中の女性を含む14人を殺害、30人を負傷させた。うち2人は撃たれた傷がもとで後日亡くなった。ホイットマンは警察の狙撃部隊により射殺された。
●1991年10月16日 ルビーズ銃乱射事件
ジョージ・へナード(当時35)は、同州中部キリーンにあったレストラン「ルビーズ・カフェテリア」のガラス窓を車で激突させて突き破り、店内にいた客など43人を撃った後、トイレに隠れ、自殺した。この事件で23人が死亡、27人が負傷した。
●2017年11月5日 サザーランド・スプリングス教会銃撃事件
デビン・パトリック(当時26)はサザーランド・スプリングスのファーストバプテスト教会に押し入り、妊婦を含む26人を射殺し、22人が負傷した。パトリックは運転してきた車の中で自殺した。