注目ポイント
近年、インターネットの普及や5G通信時代の突入で、スマホなどを利用したモバイル決済が日常化し、オンライン購買市場が大きく成長しつつある。本レポートは、日本人と台湾人の消費者オンライン購買行動についてのアンケート調査結果をまとめたものである。
3. オンラインでの食品購入ルート
日本人はネットショップ、台湾人は多様なルートで購入

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「オンラインでの食品購入ルート」についてのアンケート調査結果によると、日台両国とも「ネットショップ」での購入が首位となり、日本は8割(83.7%)、台湾が5割(54.7%)で、日本は台湾より約3割(29%)高かった。次にスーパーやコンビニのネット購入で、日本が約3割(25.1%)、台湾では約半数(50.6%)の人が利用している。宅配については、日本が1割(14.9%)、台湾が4割(39.9%)で、日本人に比べ台湾人の利用率は4倍高かった。LineやFace bookなどのSNSや通話アプリでの食料品購入については、台湾人は日本人の2倍以上高い結果となった。
日台におけるオンラインでの食品購入ルートの特徴は、日本人は圧倒的にネットショップで購入しているが、その他のルートは3割以下の利用率であり、購入ルートに偏りがある。一方台湾人はネットショップ、スーパー及びコンビニのネット購入、宅配共に利用率が高いことから、購入ルートは多様で、多元的であると言える。
4. モバイル決算サービスの利用経験
台湾は日本に比べモバイル決算が浸透している

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「モバイル決算の利用経験」についてのアンケート調査結果によると、モバイル決算の利用したことがある台湾人は約7割(74%)で、日本人は約半数(52%)であった。以上より、台湾は日本に比べモバイル決算が浸透していると言える。
5. よく利用するモバイル決済サービス

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「現在利用しているモバイル決算サービス」についてのアンケート調査結果によると、最も多く利用されているモバイル決算サービスについては、日本人の約6割(66%)は「PayPay」、台湾人の約7割(73%)は「Line pay」であった。次に、日本人の約3割(32%)が「楽天Pay」、台湾人の半数(55%)が「全聯PX pay」を利用していると回答した。
台湾では、あらゆる世代やグループでLineの通話アプリが日常の交流手段として利用されている。それゆえ台湾人にとって、「Line Pay」は最も便利で、身近なモバイル決算サービスに成り得たと思われる。
「全聯PX pay」は、もともとは「中華民國消費合作社全國聯合社(全聯社)」といい、軍人とその家族だけが利用できるスーパーでした。現在は入場制限がなくなり、台湾全土で1000店舗以上を展開する地域密着型スーパーマーケットになりました。ほとんどの台湾人は食品から日常品までこの「全國聯合社」で購入するため、「全聯PX pay」が2位にランクインしたものと思われる。