注目ポイント
近年、インターネットの普及や5G通信時代の突入で、スマホなどを利用したモバイル決済が日常化し、オンライン購買市場が大きく成長しつつある。本レポートは、日本人と台湾人の消費者オンライン購買行動についてのアンケート調査結果をまとめたものである。
2.1. オンライン購入商品のランキング
人気の購入商品は国民性も相まって、日本人は「本、文房具、DVD」、台湾人は「食品、飲料、食事券」

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「過去6か月間のネットで購入した商品項目」についてのアンケート調査結果によると、日本で最も人気のある商品は、「本、文房具、DVD(38.1%)」、一方台湾で最も人気のある商品は、「食品、飲料、食事券」であった。2000年に日本初のネット書店「アマゾン・ドット・コム」が上陸して以来、日本の書店数は20年に渡って減少し続けている。ネット書店は実店舗より価格が安く、品ぞろえが豊富で、電子書籍であれば購入後すぐに読めることで、日本のみならず世界中の人々に利用されている。
ここでは日本人の読書・文具好きも相まって、ランキング一位を記録したが、台湾の調査結果で「本、文房具、DVD」は上位5位内にランクインされなかった。近年行われた台湾の読書習慣調査についての報道によると、台湾人は書籍購入にお金をかけないそうで、成人の読書習慣もあまりないそうだ。そのためか、ネット購入では上位5位内にランクインされなかったと思われる。
「食品、飲料、食事券」については、日台ともランクインしており、台湾では約半数(55.7%)、日本では約3割(33.7%)の人が過去半年以内に購入したと回答している。台湾は日本に比べ外食文化が根付いており、3食外食ということも珍しくはない。近年では、Uber EatsやFood PandaなどフードデリバリーサービスのAPPが普及しており、あらゆる年齢層によって各域で日常的に利用されている。 一方日本は海外に比べフードデリバリー後進国と言われてきたが、コロナの追い風を受けてその勢いを増しつつある。
2.2. よく利用しているECサイト
日本人はECモール、台湾人はショッピングセンターのECサイト

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「オンラインショッピングでよく利用するプラットフォーム」についてのアンケート調査結果によると、台湾の消費者はショッピングセンター形式のECサイトの利用率が約7割(74.5%)で、日本では約半数の約4割弱(36.5%)の利用率しかなかった。一方、yahooや楽天などモール形式のECサイトでは、日本は約8割(81.1%)、台湾は約半数の約4割(43.4%)であった。以上から、日本の消費者はECモール、台湾の消費者はショッピングセンターECサイトを好む結果が明らかになった。Yahooなどのオークションサイトでの購入は、日本が3割(32.2%)、台湾が7割(68.8%)で、台湾人は日本人の2倍利用しており、根強い人気が伺える。