2022-03-19 調査データ

日本と台湾における消費者のオンライン購買行動について

注目ポイント

近年、インターネットの普及や5G通信時代の突入で、スマホなどを利用したモバイル決済が日常化し、オンライン購買市場が大きく成長しつつある。本レポートは、日本人と台湾人の消費者オンライン購買行動についてのアンケート調査結果をまとめたものである。

アンケート項目は、「オンライン及び実店舗での購入頻度」、「過去6か月間のオンラインショッピング支出」、「過去6か月間のネットで購入した商品項目」、「オンラインショッピングでよく利用するプラットフォーム」、「オンラインでの食品購入ルート」、「モバイル決算の利用経験」、「現在利用しているモバイル決算サービス」、「端末別ネットバンキングの利用率」、「スマホ版ネットバンキングの利用頻度」、「オンラインで利用するサービス」である。

 

1. 商品の購入ルート

日本人と台湾人の購買行動にどのような違いがみられるのであろうか。ここでは、オンラインショッピング及び実店舗での購入について行ったオンラインアンケート(2021年1月~12月)の調査結果を報告する。

 

1.1. オンライン及び実店舗での購入頻度を比較

台湾人はインターネットで、日本人は実店舗で購入する傾向がある

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「オンライン及び実店舗での購入頻度」についてのアンケート調査結果によると、ネットショッピングを「1か月に3~4回以上」すると回答した日本人は約2割(22.2%)で、台湾人は約4割(39.1%)であったことから、台湾人は日本人の約2倍となった。一方、実店舗での購入については、「1か月に3~4回以上」と回答した日本人は約7割(72.5%)、台湾人は7割(72.7%)でほぼ同じであったが、その内訳は「1週間に1回以上」と回答した日本人は6割(59.0%)、台湾人は5割(47.2%)で、日本人の方が若干多いことから、台湾人はオンラインで、日本人は実店舗を好む結果となった。

 

1.2.過去半年で、ネットでいくら買い物しているのか

台湾人は日本人の2倍もネットショッピングしていた

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「過去6か月間のオンラインショッピング支出」についてのアンケート調査結果によると、実店舗での支出と比べ「オンラインショッピングでの支出が多い」と回答した台湾人は約4割(38.6%)で、日本人は約2割(23.8%)であった。その一方、「実店舗での支出が多い」と回答した人は、日本人回答者の約半数(53.0%)にも達したが、台湾人は約3割(29.8%)にとどまった。以上より、台湾人はネットで、日本人は実店舗で決済する傾向にある。

 

2. オンライン購入と人気のECサイト

日本人と台湾人の購買行動にどのような違いがみられるのであろうか。ここでは、日台のオンライン購入ランキング及び人気のECサイトについて行ったオンラインアンケート(2021年1月~12月)の調査結果を報告する。

 

2.1. オンライン購入商品のランキング

人気の購入商品は国民性も相まって、日本人は「本、文房具、DVD」、台湾人は「食品、飲料、食事券」

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「過去6か月間のネットで購入した商品項目」についてのアンケート調査結果によると、日本で最も人気のある商品は、「本、文房具、DVD(38.1%)」、一方台湾で最も人気のある商品は、「食品、飲料、食事券」であった。2000年に日本初のネット書店「アマゾン・ドット・コム」が上陸して以来、日本の書店数は20年に渡って減少し続けている。ネット書店は実店舗より価格が安く、品ぞろえが豊富で、電子書籍であれば購入後すぐに読めることで、日本のみならず世界中の人々に利用されている。

ここでは日本人の読書・文具好きも相まって、ランキング一位を記録したが、台湾の調査結果で「本、文房具、DVD」は上位5位内にランクインされなかった。近年行われた台湾の読書習慣調査についての報道によると、台湾人は書籍購入にお金をかけないそうで、成人の読書習慣もあまりないそうだ。そのためか、ネット購入では上位5位内にランクインされなかったと思われる。

「食品、飲料、食事券」については、日台ともランクインしており、台湾では約半数(55.7%)、日本では約3割(33.7%)の人が過去半年以内に購入したと回答している。台湾は日本に比べ外食文化が根付いており、3食外食ということも珍しくはない。近年では、Uber EatsやFood PandaなどフードデリバリーサービスのAPPが普及しており、あらゆる年齢層によって各域で日常的に利用されている。 一方日本は海外に比べフードデリバリー後進国と言われてきたが、コロナの追い風を受けてその勢いを増しつつある。

 

2.2. よく利用しているECサイト

日本人はECモール、台湾人はショッピングセンターのECサイト

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「オンラインショッピングでよく利用するプラットフォーム」についてのアンケート調査結果によると、台湾の消費者はショッピングセンター形式のECサイトの利用率が約7割(74.5%)で、日本では約半数の約4割弱(36.5%)の利用率しかなかった。一方、yahooや楽天などモール形式のECサイトでは、日本は約8割(81.1%)、台湾は約半数の約4割(43.4%)であった。以上から、日本の消費者はECモール、台湾の消費者はショッピングセンターECサイトを好む結果が明らかになった。Yahooなどのオークションサイトでの購入は、日本が3割(32.2%)、台湾が7割(68.8%)で、台湾人は日本人の2倍利用しており、根強い人気が伺える。

 

3. オンラインでの食品購入ルート

日本人はネットショップ、台湾人は多様なルートで購入

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「オンラインでの食品購入ルート」についてのアンケート調査結果によると、日台両国とも「ネットショップ」での購入が首位となり、日本は8割(83.7%)、台湾が5割(54.7%)で、日本は台湾より約3割(29%)高かった。次にスーパーやコンビニのネット購入で、日本が約3割(25.1%)、台湾では約半数(50.6%)の人が利用している。宅配については、日本が1割(14.9%)、台湾が4割(39.9%)で、日本人に比べ台湾人の利用率は4倍高かった。LineやFace bookなどのSNSや通話アプリでの食料品購入については、台湾人は日本人の2倍以上高い結果となった。

日台におけるオンラインでの食品購入ルートの特徴は、日本人は圧倒的にネットショップで購入しているが、その他のルートは3割以下の利用率であり、購入ルートに偏りがある。一方台湾人はネットショップ、スーパー及びコンビニのネット購入、宅配共に利用率が高いことから、購入ルートは多様で、多元的であると言える。

 

4. モバイル決算サービスの利用経験

台湾は日本に比べモバイル決算が浸透している

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「モバイル決算の利用経験」についてのアンケート調査結果によると、モバイル決算の利用したことがある台湾人は約7割(74%)で、日本人は約半数(52%)であった。以上より、台湾は日本に比べモバイル決算が浸透していると言える。

 

5. よく利用するモバイル決済サービス

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「現在利用しているモバイル決算サービス」についてのアンケート調査結果によると、最も多く利用されているモバイル決算サービスについては、日本人の約6割(66%)は「PayPay」、台湾人の約7割(73%)は「Line pay」であった。次に、日本人の約3割(32%)が「楽天Pay」、台湾人の半数(55%)が「全聯PX pay」を利用していると回答した。

台湾では、あらゆる世代やグループでLineの通話アプリが日常の交流手段として利用されている。それゆえ台湾人にとって、「Line Pay」は最も便利で、身近なモバイル決算サービスに成り得たと思われる。

「全聯PX pay」は、もともとは「中華民國消費合作社全國聯合社(全聯社)」といい、軍人とその家族だけが利用できるスーパーでした。現在は入場制限がなくなり、台湾全土で1000店舗以上を展開する地域密着型スーパーマーケットになりました。ほとんどの台湾人は食品から日常品までこの「全國聯合社」で購入するため、「全聯PX pay」が2位にランクインしたものと思われる。

 

6. ネットバンキング利用状況

台湾人は日本人に比べ、日常的にネットバンキングを活用している

 

6.1. 端末別ネットバンキングの利用率

台湾人はPC版、スマホ版共にネットバンキングの利用率が高い

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「端末別ネットバンキングの利用率」についてのアンケート調査結果によると、台湾人のPC版及びスマホ版ネットバンキングの利用率は、日本人より高かった。日本のユーザーに比べると、PC版では約2割の格差が生じ、スマホ版では約4割も差が開いた。「ネットバンキングを利用していない」と回答した台湾人は1割(12.2%)なのに比べ、日本人は4割(41.6%)となった。

 

6.2. スマホ版ネットバンキングの利用頻度

4割の台湾人は「一週間に4-6日」、3割の日本人は「一か月に1日」ネットバンキングを利用している

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「スマホ版ネットバンキングの利用頻度」についてのアンケート調査結果によると、「一週間に4-6日」と回答した台湾人が約4割(38%)で一番多く、次に「毎日」が約2割(20.1%)、「一週間に1-3日」が約2割(19.6%)と続く。一方日本人は、「一か月に1日」が約3割(30.5%)で一番多く、次に「二週間に1日」が2割(21.4%)、「三カ月に1日またはそれ以下」が1割弱(13.7%)であった。以上より、台湾人ユーザーは日常的にスマホ版ネットバンキングを閲覧し、何らかのやりとりをしているが、日本人ユーザーは、ネットバンキングは必要最低限の範囲で利用していることがわかる。

 

7. オンラインでよく利用するサービス

台湾人はグループとのつながり、資産運用で、日本人はショッピング、メールや検索をよく利用している

2021年1月~12月に日本と台湾で行われた「オンラインで利用するサービス」についてのアンケート調査結果によると、上位3位以内では、日本人で「ショッピング」と回答した人は最も多く7割(69.9%)で、次に「電子メール、検索エンジンツール」が7割(67.0%)、YoutubeやNetflix (ネットフリックス)などの「動画・音楽配信」が5割(49.9%)、「SNS、フォーラム・掲示板、ブログ」が5割(48.9%)、LineやWeChatなどの「インスタントメッセージ」が5割(47.3%)であった。一方台湾人は、「電子メール、検索エンジンツール」が8割(80.7%)、次に「インスタントメッセージ」が8割(76.6%)、ECサイトやオークションなどの「ショッピング」が7割(74.0%)、「SNS、フォーラム・掲示板、ブログ」は7割(73.1%)、「オンラインニュースや生活情報の視聴」は7割(72.0%)、「動画・音楽配信」が7割(68.4%)、株式や外貨取引などの「資産運用」が5割(49.5%)であった。

全項目に渡って、台湾人は日本人よりオンラインで多くのサービスを使用していることが明らかである。特に「インスタントメッセージ」では3割(29%)、「SNS,フォーラム、掲示板、ブログの閲覧」では2割(24%)、資産運用では3割(30%)の格差が生じた。即ち、台湾人は日本人に比べ、通話アプリで頻繁に友人や家族と繋がったり、FacebookやDcardなどのブログでグループ関係を築いたり、株や為替取引などの資産運用でオンラインを利用するのが特徴で、一方日本人は、オンラインでECサイトやモールなどで商品の購入、検索ツールやメールの閲覧、音楽や動画の配信が特徴であると言える。台湾人は生活の様々な面でオンラインツールをフル活用している。特に、オンラインはインスタントメッセージやSNSなどのグループで繋がる関係で活躍している。また、資産運用については、日本と比べ3割(30%)も高いことから、オンラインでの資産運用が浸透していると言える。

 

調査対象:18歳から60歳までの日本人と台湾人
調査方法:オンライン・トラッキング調査
調査期間:2021 年 1 月 - 6月 ,月1回実施
回答数:1500名
著者:庄司恵子