注目ポイント
地方創生の流れが強まる台湾。台東の人気観光地でセレクトショップ「東東市」を運営する黄秀玲(Show)は、地域の手仕事や特産品を集め、観光客には新たなライフスタイルの提案を、地域にはポジティブな経済サイクルを生み出している。
東東市が実施した企画展「台東100色」では、野菜由来のせっけんと土地の関係に着目し、台東の文化を異なる視点で伝えた。東東市/提供
東東市は販売データと顧客の状況を把握し、デザインスキルをもったチャネルとして、50余りの地元ブランドの成長をサポートしている。また、観光者の購買行動は、地域の経済サイクルをポジティブに支え、地域が良い製品を生み出すためのエネルギーを活性化している。
黄秀玲(Show)は、「美しく暮らし、おいしいものを食べ、土地に優しくすること」が東東市からの提案であり、「商品力、美学力、物語力」が商品選択の基準になっていると話す。
地元ブランドの成長と変革に寄り添い、地域のDNAを抽出し、商業的な価値に変換していく過程において、土地の価値をどう伝え、地域の魅力をどう展開していくかという点が、東東市の核心的な能力だといえるだろう。
東東市を訪れた旅行客は、台東で生まれたさまざまな商品を見て、その背後にある作り手の気持ちや物語を知ることができる。東東市の「初心」とは、地域が誇る価値を伝える人・コト・モノに目を向けてもらうということなのだ。

東東市は地元ブランドの成長と変革に寄り添う。セレクトした商品のひとつひとつは東東市が大切にしている「初心」だけでなく、地域の価値が持つ「真心」をも示している。東東市/提供
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