2022-03-21

日本と台湾のモバイルゲームに関する実態調査

ゲームのタイプと時間の比較

日本と台湾でゲームをする人たちに対して、ゲームのタイプ、使用金額、プレイ時間数などを調査した。普段使用しているゲーム機について、スマートホン/タブレット、パソコン、ニンテンドー等のゲーム機、ゲーセンなどの4つに分けて調べたところ、日本では、最も手軽にゲームができるスマートホン/タブレットの56.1%以外は、パソコン35.1%、ゲーム機35.6%、ゲーセン34.3%というふうにほぼ横並びで、様々なプラットフォームが満遍なく利用されているのに対して、台湾では、スマホ/タブレットが圧倒的に多く81.7%もの人が利用している。パソコン66.6%、ゲーム機47.6%に次いで、ゲーセンが14.6%と極端に少なくなっているのは、台湾では、2000年に施行された電子遊戯場業管理条例の規制のため営業免許や許認可が必要とされ、入場時間制限や入場年齢制限など、厳しい制限があるからであろう。

モバイルデバイスにいくつのゲームがダウンロードされているかについては、日本は平均3.4個、台湾は平均4個となっている。

次にモバイルゲームの人気ランキングを見てみると、日台ともに、無料でルールも簡単、短時間で気軽に遊べるパズルゲームがトップとなっているが、日本の2位はアクション/アドベンチャーゲーム、台湾はロールプレイングとなっており、以下日台で順位が異なっている。3位から5位までは次の通りである。日本3位シミュレーションゲーム、4位アクション/アドベンチャーゲーム、5位音楽ゲーム、台湾3位ロールプレイングゲーム、4位謎解きゲーム、5位シミュレーションゲーム。

一週間に何回遊ぶかについて聞いてみたところ、日本7.29回/週、台湾7.87回/週でともにロールプレイングゲームがトップ、一番頻度が低かったのは、日本ではアクション/アドベンチャーゲームの5.92回/週、台湾では謎解きゲームの6.48回/週であった。また一回のプレイ時間について、一番長かったのは日本ではアクション/アドベンチャーゲームの1.48時間、台湾ではロールプレイングゲームの1.45時間となっている。

 

モバイルゲームに使うお金の比較

どのタイプのモバイルゲームなら有料でも利用したいか調べた結果、最も多いのが、日本では三国志、蟻戦争に代表されるストラテジーゲームで64%、台湾では、複数のプレーヤーがオンラインで戦うマルチプレイヤーオンラインバトルで60%、最も少ないのは、無料・手軽が特長のパズルゲームで日本15%、台湾18%であった。

実際にいくらくらい使っているか、米ドルベースで調査した結果、全タイプのゲームで台湾の方が日本より多額に課金しており、最も差が大きいのはARゲームで、日本$19.6、台湾$42.7、その差は$23もあり、ARゲームの台湾での人気が如実に表れている。次いで差が大きいのはマルチプレイヤーオンラインバトルで、日本$8.7、台湾$28、差は$19.4、その他全てのタイプで$10~$15ほどの差がある。台湾は日本に比べて、畳みかける過剰な課金や高額請求などのトラブルが少なく、課金に対してそれほど抵抗や警戒心がないことがその理由ではないかと考えられる。

 

ゲームをする時間帯

モバイルゲームをする時間帯について調査した。曜日と時間帯に関して、結果は想定内で、翌日が月曜日である週末の深夜0時から早朝6時までと、仕事中・授業中である朝6時から昼12時までが最も少なく、日本は10~18%、台湾は6~9%となっている。また、一番ゲームをする人が多かったのは、こちらも想定内で、平日仕事や学校から帰宅後の午後6時以降、日本で52~56%、台湾で55~58%、週末のお昼12時から深夜0時までで、日本31~60%、台湾36~48%である。

ただ、調査前の予想では、じっくり腰を据えて取り組むロールプレイングゲームやシミュレーションゲームなどと、手軽に始めていつでも終わることができるパズルゲームでは曜日・時間帯が違うと思われたが、調査の結果、ゲームのタイプによるプレイ時間帯の違いはほとんどないことがわかった。

 

AR・VRの日台比較

2016年に世界中で一大ブームを巻き起こしたポケモンGOのように、実在空間とバーチャル視覚情報を重ねて表示した拡張現実のゲームをARという。

また、ウェアラブル型の映像表示装置(眼鏡やゴーグルのようなもの)にリアリティを高めた視覚映像を投影する仮想現実をVRという。

どちらも最新の技術で、ゲーム界に新たな一ページを開いた。そこで今回は、ARとVR使用割合と興味について日台で比較調査した。その結果、ARもVRも日台で対照的な結果が出た。

まず、VRに興味があるか否かという質問に対して、台湾では、「興味がある」と「大変興味がある」を合わせると、半数以上の55.5%の人が興味あると答えたのに対して、日本では逆に「全然興味がない」と「興味がない」が合わせて63.7%にのぼった。その結果、当然のこととして、ゲームの体験があるかどうかという質問では、「体験したことがある」と答えた人は台湾が27.2%に対して、日本はわずか9.4%、日本ではなんと9割以上の人にVRゲーム体験がないことがわかった。

ARに関してもほぼ同様で、世界的に大流行したにもかかわらず、日本では4割近くの人が全然興味がないと答えており、台湾の10%と比べて驚くほどの差がみられる。日本では「全然興味がない」と「興味がない」を合わせると67.7%になるが、台湾では44%、反対に「興味がある」と「大変興味がある」を合わせると台湾が56%に対して、日本は32.2%となった。

台湾では健康志向が強く、その手段も多岐に亘っている。いわゆる「不健康である」と虐げられてきたモバイルゲームだが、AR(ポケモンGO)の出現により、アウトドアスタイル、家族連れ、子供や初心者でもできる、などという好条件が重なり、町や山河を歩き回ってポケモンを探す人が急増した。このように台湾ではARは老若男女の「健康的な」ゲームになり、ゲーム体験があると答えた人は26%であるのに対して、日本人でARを体験した人は12%、つまり88%もの人が未体験、または聞いたこともない人だった。

 ポケモンGOは、日本では2016年にサービスが開始され、約6年が経過しているが、一時の熱狂的なブームは去ったものの、米・Sensor Towerの推計では、国別の累計売上高構成は、米国37%、日本32%と日米2か国で7割近い売上を上げている。また、2020年に世界的に広がった新型コロナウィルス感染症に伴う外出規制は、ポケモンGOをはじめとするARゲームにとって逆風となったと思われるが、密を避けるための施策として導入した「実際にそこに行かなくても」ゲームをプレイに参加できるシステムによって、売上を加速させた。これらは、コロナ禍におけるニューノーマル対応の一例にいえるが、ARゲームのコンセプトそのものに対峙しかねないアプローチともいえるので、今後、コロナ禍によってAR/VRゲームがいかに発展していくか注意深く見守っていく必要がある。

 

調査対象:16歳から60歳までの日本人と台湾人
調査方法:オンライン・トラッキング調査
調査期間:2021 年 1 月 - 6月 ,月1回実施
回答数:1500名
著者:橋本行平

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