2022-05-25 国内

日米豪印「QUAD」は中国覇権主義に強く反対 ロシア問題はインドとの〝温度差〟が際立つ

© Photo Credit: Reuters /達志影像

注目ポイント

日本、米国、オーストラリア、インドは24日、4か国の協力枠組み「クアッド」の首脳会合を東京で開催した。「自由で開かれたインド太平洋地域」の実現に向け、今後5年間で同地域のインフラ整備に500億ドル(約6兆3800億円)規模の支援や投資を目指す方針で合意。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」で〝債務の罠〟に苦しむ発展途上国などを支援し、中国に対抗する姿勢を鮮明にした。

24日午前、首相官邸で開かれた会合の冒頭、議長の岸田首相はウクライナ情勢をめぐりロシアを批判した上で、中国を念頭にインド太平洋地域で同様の紛争を起こしてはいけないと訴えた。バイデン米大統領はロシアのウクライナ侵攻を「民主主義vs専制主義」の闘いと位置付け、中国とロシアの連携をけん制した。

ただ、ロシアとの関係が深いインドと日米豪の温度差が際立ち、共同声明ではインドを配慮してロシアを名指しすることを避けた。その結果、ウクライナ侵攻を「悲劇的な紛争」と表現し、「自由や法の支配」や「主権や領土一体性の尊重」、「平和的解決の重要性」を強調するにとどめた。

米国はまた、インド太平洋で海洋進出を強める中国に対する戦略として、中国漁船による違法操業を取り締まる制度を確立するなど、太平洋島嶼(とうしょ)国との経済協力をさらに強化し、民主主義陣営に引き寄せようとしている。これは先月、南太平洋の島国ソロモン諸島が、中国と2国間の安全保障協定を結んだことに、長年良好な関係を築いてきた米国や日本、豪州、ニュージーランドなど西側は強く反発。中国が南太平洋にも軍事拠点を置くことを警戒している。

そんな中、中国外務省はクワッド会合にぶつけて24日、王毅外相が26日から来月4日にかけて、ソロモン諸島など太平洋諸国8か国を訪問すると発表。ソロモン諸島のほか、キリバス、サモア、フィジー、トンガ、バヌアツ、パプアニューギニア、東ティモールを歴訪するとしている。

さらに同日、4か国首脳が東京に集まったことへの示威行為として、中国とロシアが爆撃機を日本周辺の上空を共同飛行したと防衛省が発表した。日本政府は両国に対し、外交ルートを通じて重大な懸念を伝えたことを明らかにした。

防衛省によると、24日午前から午後にかけ、中国軍とロシア軍の爆撃機それぞれ2機が日本周辺の日本海や東シナ海、それに太平洋上空で長距離にわたって編隊飛行しているのを確認。航空自衛隊は戦闘機をスクランブル発進させ対応したが、領空侵犯はなかったとしている。

クアッド会合とは別に元赤坂の迎賓館では、4か国の首脳はそれぞれ2国間でも個別に会談。バイデン氏はインドのモディ首相に軍事装備協力の推進や、経済連携の強化、感染症対策の協力を申し入れた。また、モディ氏が米国による新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み」(IPEF=アイペフ)への加入を決めたことを歓迎すると伝えた。

モディ氏は岸田首相とも会談し、サプライチェーン(供給網)の多元化や強靱(きょうじん)化など、経済安全保障上の課題への取り組みを強化することで一致。外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)や、初の戦闘機共同訓練の早期実施を目指すことも確認した。モディ氏はまた、親交のある安倍元首相や菅前首相とも面談した。

また、就任2日目でクワッドに参加したアルバニージー豪首相と会談したバイデン氏は、米豪同盟を断固として支えることを確認した。

一方、北朝鮮をめぐっては、ICBM(大陸間弾道ミサイル)級を含めた、度重なるミサイル発射と開発を、地域の不安定化をもたらすと非難した上で、国連安保理決議の義務に従い、挑発的な行為を控え実質的な対話に取り組むよう求めるとした。

その翌日となった25日、北朝鮮はバイデン氏が帰国したタイミングをはかったかのように日本海に向けて計3発の弾道ミサイルを発射。防衛省によると、1発目は最高高度が約550キロで飛行距離は約300キロ、その後に発射されたのは最高高度が約50キロで飛行距離は約750キロと推定される。

いずれも落下点は北朝鮮東側の日本海で、日本の排他的経済水域(EEZ)外とみられる。

 

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