2022-05-24 政治・国際

自民党青年局台湾訪問 未来の首相と台湾の絆

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注目ポイント

台湾との関係を大切にし、毎年相互訪問を続けている自民党青年局はコロナ禍の中、5月3日から7日まで台湾を訪問した。

≪自民党青年局と台湾≫

厚生労働省の定義によると、「青年」とは15歳から25歳までのことを言う。しかし、自由民主党青年局の参加資格は36歳から45歳までとなっている。定義上、「青年」とは言えないが、若くして代議士に当選する人はそんなに多くないので、まあ、仕方ないのであろう。

そんな自民党青年局の代表団がコロナ禍の中、5月3日から7日まで台湾を訪問した。訪問団は、第52代青年局長 小倉將信衆議院議員(41歳)を団長とする一行11名である。4日、新北市の国軍墓地への李登輝元総統の墓参を皮切りに、台北市、桃園市、新竹市を視察、台北では、蔡英文総統、頼清徳副総統、蘇貞昌行政院長(首相に相当)、游錫堃立法院長(国会議長に相当)らと面会し、台湾の国際社会参与支持の要請や台湾海峡の安全と安定などについて話し合った。また、蔡英文総統との会談では、台湾のTPP加盟実現に向けて両国がお互いに全力で取り組むことが確認された。 

 

≪台湾と中国と自民党≫

終戦時、旧軍関係者や引揚者は、蒋介石総統の寛容な政策である「以德報怨(徳を以て恨みに報いる)」に恩義を感じ、「親台派」を形成した。1949年、中華人民共和国成立、翌年朝鮮戦争勃発。米国の占領下にあった日本政府は必然的に台湾を選択し、1952年に日華平和条約を締結した。しかし、1972年、田中角栄の訪中によって、日本と台湾は断交した。自民党青年局は1955年11月、若手の議員によって構成された組織局の一つで、1967年、青年局長 海部俊樹(のち首相)、青年部長 小渕恵三(のち首相)、及び来日した救国団の蒋経国主任(のち総統)との間で合意された、自民党における唯一の対中華民国窓口機関でもある。1972年に日本と台湾が断交した後も、毎年、相互訪問が続いた。2011年10月の中華民国100周年祝賀式典には、元青年局長である麻生太郎元首相が訪台し祝福した。

 

≪青年局長は若手政治家の登竜門≫

3年前にセクシー発言で話題になった小泉進次郎、ここ数年で特に頭角を現してきた萩生田光一、共に近い将来首相になるだろうと言われているこの二人も青年局長経験者で、過去には、浜田幸一、下村博文、中川昭一、額賀福志郎などの主要政治家も局長に名を連ねている。さらに、実際に首相になった人を挙げると、竹下登、宇野宗佑、海部俊樹、安倍晋三、麻生太郎、岸田文雄の6名の局長経験者が後に総理まで上り詰めた。

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