2022-02-28 政治・国際

連載「いちにの算数いーあるさんすー」 台湾ルネサンス時評:台湾の人たちは、日本の福島県産の食品を実際に食べられますか。

© Photo Credit: Reuters / 達志影像

台湾当局は21日に、同日付けで、福島県産など5県産の食品輸入の禁止措置を解除すると発表した。福島県以外は、茨城、栃木、群馬、千葉が、これに当たるが、2011年の東京電力福島第一原発事故後から実施されていたこの措置が解除された裏には、21年9月に加盟申請した環太平洋経済連携協定(TPP)加盟に弾みをつけたいという思惑もあるようだ。ただし、放射能の検査報告書や、産地証明書の添付、野生の動物やきのこなどは引き続き輸入を認めないなど、完全な撤廃ではないことには留意したい。

では、台湾の一般市民は、このことについて、どう思っているのだろうか。アパレルメーカーに勤める30代の女性は

「私はたぶん、買いません。日本の文化や日本人は好きだけど、それと健康は別問題ですよね。検査をクリアしていると言っても、やっぱりどこか不安は残ります」

と、福島県産などの食品を食べることに消極的だった。

かと思えば、20代の出版社に勤める女性は、

「私は大丈夫だと思っていますが、周りの友だちはやはり食べたくないと言ってます。たぶん、その原因は作っているところを見たことがないから不安なんだと思います。私は、福島に行って、農家で、作業しているかたと話をしたり、作物を作っているところを見せてもらったりしました。そこで食べたご飯はとても美味しかったです。京都に住んでいたこともあるのですが、近所のスーパーでは、福島県産の野菜が売れ残っていました。日本人でも、見ないと不安なのは一緒です。今の時代、本当に安全なものなんて無理だと思います。だから農家のかたが心を込めて作ったものを見たものとして、私は大丈夫だと思います」

賛否両論だったが、台湾人たちが、日本のことを考えてくれていることは伝わった。その、心意気だけでも嬉しいものだ。

 

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